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坐剤基剤・油脂性基剤・乳剤性基剤・水溶性基剤〜代表的な剤形の種類と特徴10

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坐剤基剤

坐剤は、用いる基剤の性質により体温によって融解するか、軟化するか、または分泌液で徐々に溶けて薬物を放出し、その薬効を発揮する。
坐剤基剤はその物理化学的性質に基づいて、油脂性基剤、乳剤性基剤、水溶性基剤に分類される。

油脂性基剤

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代表的なものにカカオ油がある。体温で急速に溶け、刺激性が少なく配合薬品に対して比較的安定であり、成型しやすい利点を持つ。しかし複雑な多形が存在するため調整時、保存時の多形転移には注意が必要になる欠点を持つ。

その多形には、β型(融点34.5℃)、β’形(融点28℃)、α形(融点23℃)、γ型(融点18.9℃)と少なくとも4種の結晶形が存在する。β型が体温近くに融点を持っている。
結晶形が変化することで融点の変化を生じる。例えば調整時に高温で融解するとα型となり23℃付近まで融点の低下を生じる。また完全に溶解したカカオ脂を急速に冷却すると、α形またはβ’形の結晶となり、やはり融点低下の原因となる。

カカオ脂とは異なり、結晶多形がなく融点と凝固点の差が少ないという特徴を持ち、坐剤調整中に配合した不溶性医薬品の粒子が沈降するおそれが少ない半合成基剤にウイテプゾールがある。
これはC12〜C18の飽和脂肪酸をエステル化したトリグリセリド(主としてグリセリントリラウリン酸エステル)からなり、これに少量のグリセリンモノ脂肪酸エステルを乳化剤として加えたものである。化学的に安定で、水分をよく吸収し、主薬の放出も容易という利点を持ち、近年多用されている基剤である。

乳剤性基剤

カカオ脂に乳化剤を加えて融解または溶解してW/O型あるいはO/W型となるものが主に用いられる。
カカオ脂にレシチンを加えたものはO/W型となり、主薬の速やかな吸収を図ることができる。またコレステロール加えたものはW/O型となり、主薬のゆるやかな吸収をねらうことができるという特徴をもつ。

水溶性基剤

水溶性基剤の特徴は、直腸分泌液に徐々に溶解し、薬物の放出をする特徴をもつ。したがって基剤が体温で融解しなければならないということはないので融点が体温より高い物質が用いられている。
マクロゴール、グリセロゼラチンなどがある。マクロゴールは、分子量400〜6,000のものが組み合わせられ用いられる。グリセロゼラチンは、グリセリンにゼラチン、水が混合され加熱溶解して調整される。

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