HOME > すべての記事 > 代表的な剤形の種類と特徴 > 軟膏基剤・疎水性基剤・親水性基剤〜代表的な剤形の種類と特徴8

軟膏基剤・疎水性基剤・親水性基剤〜代表的な剤形の種類と特徴8

4980view

軟膏基剤

747a4f0c
その物理学的性質に基づいて、疎水性基剤、親水性基剤に大別される。

◆疎水性基剤
油脂が原料とされており、鉱物性と動植物性に分類される。
皮膚刺激性が少なく、皮膚の被膜、保護性に優れる。その一方でべたべたして落ちにくく、衣服などに付着しやすく、また皮膚損傷部位を油脂性軟膏が被うため、治癒過程において分泌液を伴う場合にはその除去を阻害する欠点を持つ。

◆親水性基剤
乳剤性基剤、水溶性基剤、懸濁性基剤に区別される。
・乳剤性基剤
油脂性基剤と水とを乳化剤を用いて乳化した基剤であり、水が連続層の水中油型(O/W型)と油が連続相の油中水型(W/O型)の2つのタイプがある。市販のクリーム剤の多くはO/W型であり、比較的のびもよい。
乳剤性基剤は皮膚への浸透性に優れ、医薬品との配合性、医薬品の皮膚吸収性が高いとされる。しかし、皮膚保護作用は弱く、びらん、潰瘍などがある湿潤した病巣部位を悪化させることもある。
また乳化剤に界面活性剤、さらにカビや細菌の繁殖を抑えるために防腐剤が配合されることもあるため、それらが原因で一次刺激性接触皮膚炎やアレルギー性接触皮膚炎が起こる場合がある。
・水溶性基剤
主としてマクロゴールが用いられる。マクロゴールはエチレンオキシドと水との付加重合体であり、平均分子量が1000以下では液体、1000以上では固体である。分子量が比較的小さい液状のものは、強い吸湿性を示すが、分子量の増加とともにその性質は低下する。
分子量が異なる2種類のマクロゴールを混合して、適当な凝固点を持つものに調整される。その例としてマクロゴール4000の等量を加温、融解、混合して製するマクロゴール軟膏がある。水溶性基剤は、吸湿性が高いため、皮膚からの分泌物をよく吸収し、水での洗浄がしやすい。しかし長期にわたり使用することで皮膚の乾燥が起こる場合があるので注意が必要である。
日本薬局方には、マクロゴール400、マクロゴール1500、マクロゴール4000、マクロゴール6000、マクロゴール20000が収載されている。
・懸濁性基剤
ゲル化した高分子の空隙に溶媒を含む基剤。溶媒が水であれば特にヒドロゲル基剤と呼ぶ。他はリオゲル基剤またはゲル基剤と呼ぶ。
油脂性基剤と乳剤性基剤の中間的な性質を持つ。ゲル基剤はpHの変化、塩や界面活性剤の添加および温度変化などで相分離を起こし、粘度の低下が見られることがある。
軟膏剤は、皮膚保護作用、柔軟作用、痂皮除去作用などの被膜作用、皮膚病変の治癒作用を利用するため用いられる。基剤と薬物と皮膚、これら3つの相互作用を考慮しながら開発が進められなければならない。
また軟膏基剤には、主薬の均一性および安全性の確保、主薬の放出性、皮膚内での拡散・移行性の確保、主薬の配合性、適用や除去における使用感などが求められる。

軟膏剤の製法

◆研和法
主薬を基剤に直接練り込み、混合する方法である。
軟膏板や乳鉢を用いて、主薬を基剤の一部とよく練合し、残りの基剤を徐々に加えながら主薬を全体に均一分散させる。
研和補助剤を適量加え主薬の均一化を図ることがある。研和補助剤は、固形の医薬品を軟膏に研和するのを補助するもので、基剤の成分のなかに含まれているものを使用する。

◆溶融法
固形の油脂性あるいは水溶性基剤などの基剤成分の溶けにくい方から先に溶かし、固まる直前に主薬を加えて冷却して調整する方法である。
医薬品の軟膏基剤への練合は、医薬品の性状(水や油脂類に対する溶解度等)により工夫されなければならない。

>> 「現役薬剤師の転職体験談」に進む

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

掲載中の案件一覧

「代表的な剤形の種類と特徴」カテゴリの関連記事