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リスクは失敗の確率attrition rateのこと~医薬品の売上予測及び事業性評価の目的6

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リスクの高さ

医薬品開発におけるリスクは、失敗の確率attrition rateのことを指しているようにも見えます。
大日本住友製薬のアニュアルレポートによれば、薬の候補化合物が実際に薬として世の中に登場する確率は3万分の1なのだそうです(大日本住友製薬2015)。

ある医薬品企業の社長がこのようにぼやいていました。
「建設業であれば、プロジェクトに失敗したといっても建物は残る。医薬品は失敗するとまったく何も残らない。プロジェクトの価値はゼロになってしまう」。

このリスクが、まさに薬品の特徴であると言えるのでしょう。

医薬品におけるリスク

一方で、ファイナンスの用語としてのリスクは、投資に対するリターンの不確実性のことを指しています。
具体的には、たとえばある銘柄の株価の年次推移を見たときに、毎年のリターンの標準偏差のことを指して「リスク」と呼んでいるのです。

これを医薬品のパイプラインに当てはめるとすると、企業は過去の経験を基にして売上予測を立てるが、具体的にはそのパイプラインの発売x年後の売上の平均値を予想することになります。
リスクが高いとは、その予想が外れる可能性が高いというだけでなく、実際の売上が予測された値から高くも低くも大きく隔たる可能性が高いということを示しています。

歴史的に見ると、とりわけ医薬品に関しては売上予測を正確に立てることは非常に難しい作業のようで、Chaらによれば、2002年から2010年までの間に発売された新薬について立てられた全ての売上予測のうち、6割がピーク売上を40%以上外していたそうです。

これは上市された医薬品についての数字であるので、たとえば臨床後期段階では失敗によって終了したパイプラインについては含めていません(売上は0になっていて、これも予測を外しているはずである)。

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