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疾病・医学的介入の特徴~医薬品の売上予測(各論)4

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疾病の特徴

疾病には、その病態の特徴によって、有病率モデルを用いたほうが概念しやすいものと、罹患率モデル用いたほうが分かりやすいものがあります。

●有病率モデルを用いた方が理解しやすい疾病は慢性疾患で、かつ有病率があまり変化しないと考えられている疾患である
例:糖尿病、高脂血症、関節リウマチ、HIV

●罹患率モデルを用いた方が良い疾患は急性の疾患や、生涯に恐らく一度しか侵されないような疾患、治癒的な疾患、あるいは致命的な疾患である
例:がん、各種感染症、切迫流早産

医学的介入の特徴

同様に、医学的な介入にも有病率モデルを考えたほうが良い場合と、罹患率モデルを考えたほうか良いものがあります。

●有病率モデルを考えたほうが良いのは、慢性的に必要とされる介入である
例:降圧薬、高尿酸血症治療薬、抗不整脈薬

●罹患率モデルを考えた方が良いのは、一時的にしか用いられない介入(予防的介入、治癒的介入、延命的介入など)やファースト、セカンド、サードといった複雑な治療フローがあるような疾患である
例:ある種のワクチン、抗菌薬、抗がん剤、C型肝炎治療薬
(同じウイルス感染症でもHIVは慢性投与するので有病率を考えた方が良いが、C型肝炎の治療は治癒的であり、今後治療によって患者総数が減少してゆくので罹患モデルを用いたほうが患者動態を理解しやすい)

治療フローtreatment flowといえば、たとえばがんの治療フローがあります。
実際に図の中のそれぞれのバケツの中に何人の患者がいるのかということを計算することは、特にがんの場合は至難の技です。
なぜならば、複数の治療ラインにまたがって同じ薬剤が使われていることもあり、併用もあり、あるいは患者を治療ベースで追跡すること自体に困難があるケースもあるからです。

しかしオンコロジー領域のマーケティング戦略、及びそれに伴う売上予測には、各治療ラインにおける患者数を推定することは致命的に重要です。
なぜなら、がん専門医たちの治療選択の際の思考の枠組みは、通常治療ラインに基づいており、また抗がん剤の適応症の記載も、治療ガイドラインの表現もその考え方に基づいたものになっており、したがって開発戦略もその方向性に則らなければならないからです。

そのような場合には、罹患率モデルを用いることによって市場への理解を深めることができる場合があります。

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