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自由薬価~医薬品の売上予測(各論)17

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自由薬価

先進国の中で唯一、製薬企業が実質的に自由に薬価を決定できる国が米国です。
自由薬価は市場決定説に基づく考え方です。

しかし米国といえども、メディケア・メディケイドといった公的保険システムが存在し、メディケア・パートDのように少なくとも部分的には政府が価格統制を行うようになってきています。

このような自由薬価は、米国以外では公的な医療保険制度が充実していない新興国市場でもその類型が見られます。
この方式が採用されている国での薬価は、それが統制されている国とは全く異なる振る舞いを示す場合があります。

たとえば、米国では多発性硬化症や抗TNF抗体製剤の薬価は発売後一貫して継続的に上昇していっており、これは他の先進国では見られない現象です。

薬価の予測

薬価を予測するためには、ペイヤー・サーベイと呼ばれる保険者を対象とした市場調査を行います。

パイプラインのグローバル売上を予測する場合には、日・米・欧州5ヶ国については国ごとに売上を予測して他の国はかさ上げするという方法を取ることが一般的でありましたが、発売時の薬価については自由薬価を採用している米国だけは異なる価格を設定し、外部参照方式を少なくとも部分的に採用している日本と欧州とでは共通の価格を設定するという方法を採用することが多かったです。

また価格のダイナミクスも、米国では類薬の動向を見ながら価格の上昇率を予測し、その他の国では、価格は独占期間中は一定とみなすケースが多かったです。

ここで解説した構造はあくまでも一例であって、最終的に売り上げ予測を立てるのに必須な構造ではありません。しかし、この患者数から始まる構造は一般的に普及していて、経営層もこの構造を見慣れています。

見慣れているモデルを提供することは、合意形成の上で不必要な議論を防ぎ、真に合意しなければならない部分の議論に短時間で入っていくことができるということでもあります。

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