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直接統制方式・間接統制方式~医薬品の売上予測(各論)16

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価格

医薬品たる製品の価格をどのように予測するのかという問題は、売上予測の最大の課題であるといっても過言ではありません。
医薬品の価格を考えるときに我々がまず考慮しなければならないのは、医薬品の価値の考え方です。
それには大きく3つの説があります。

【1】固有価値説
医薬品にはその物的性質に見合う何らかの固有の価値があり、その価値に対して価格は究極には絶対的に決定されうるという考え方。

【2】市場決定説
医薬品の価格は市場が決定する。
すなわち、価格は基本的には製品の需要の大きさと供給側の市場の独占度とによって決定されるという考え方。

【3】投資回収説
医薬品の価格は、医薬品の研究開発にかかる投資の大きさに見合うものでなければならない。
逆に言えば、製薬企業はその行っている投資を回収できるだけの価格を医薬品につける。すなわちこれは、イノベーションに対する国民の投資なのであるという考え方。

医薬品の価格決定の方法は国によって異なるが、それは大きく三つの類型に分けることができます。

直接統制方式

日本やフランスなどはこれに該当し、すなわち薬価を公的セクターが決定する方法です。

公定価格の決定方法は主に参照方式であり、参照方式には内部参照、すなわちすでに国内で発売されている医薬品の価格を参照する方式と、外部参照、すなわち海外の薬価を参照する方式とが存在します。

内部参照においては参照される医薬品に対して、新薬がどの程度の臨床的改善をもたらしうるかということがデータをもって示され、それに対して加算という形で薬価を調整するという方法がとられます。
これは、上述の方向性の中では固有価値説に近い考え方です。

一方で、参照すべき医薬品がない場合には、特に日本では原価計算方式が採用されるため、投資回収説に近い考え方を採用していると言えます。
あるいは市場拡大再算定なども、市場が拡大することによって、企業はすでに充分に投資を回収できているので、薬価を引き下げてもかまわない、と当局が考える場合には、それは投資回収説に近い考え方であると言えます。

間接統制方式

ドイツや英国などがこれに該当し、すなわち医薬品の償還価格を公的セクターが決定する方法です。

製薬企業は形式的には薬の価格を自由に決定することができますが、患者は償還価格との差額を自己負担しなければならないため、償還価格を上回る価格がついた医薬品は著しくマーケットシェアを損なうことになります。

したがって、実質的には製薬企業は償還価格に合わせて価格を設定するため、直接統制方式と大きな差はありません。
ドイツでは医薬品を参照グループに割り当てて、参照グループ内で償還価格を一定にしているため、一種の内部参照といえます。あるいは英国では医療経済モデルに基づく費用対効果分析によって償還価格を決定しています。

いずれの場合も、固有価値説に基づく価格の考え方です。

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