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低診断率の原因~医薬品の売上予測(各論)11

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この思考プロセスは、診断率だけでなく一般的にアサンプションを置こうとする際に辿るプロセスです。

すなわち、データがある場合にはそれを利用しますが、そのものズバリのデータが無い場合には、市場調査で得るのか、外挿するのか、逆算するのかといった他の方法を考えることによってアサンプションを構築するのです。

その際には、どういう理由でその方法を採用したのかを説明するとともに、そのアサンプションの確からしさが高いのか低いのかということについて説明できなければなりません。

低診断率の原因は何か

このようにして診断率を求めるということには非常に重要な意味があります。すなわち、診断率を精査することによってマーケティングレバーが見えてくるのです。

たとえば、対象疾患の診断率が非常に低い場合にはその理由を吟味することによって、製品の価値最大化につながる戦略の策定に直結する着想が得られることがあります。

低診断率の理由として一般的なものをいくつか挙げてみましょう。

疾患概念の理解が進んでいない

これは、患者の場合と医師の場合と両方あり得ます。

つまり、たとえば子宮内膜症のような疾患であれば、単に「生理が重い」という一般的な現象であると患者が考えてしまって病院を訪れないという可能性もあれば、たとえば多発性硬化症のような疾患の場合、症状が非特異的であることや専門的な知識が開業医に無いためなどの理由によって、疾病の可能性に気がつかない場合もあります。

このような場合には市場調査を行い、医師と患者どちらに疾患認知が欠けているのかということを理解することによって、適切な啓発プログラムを策定できます。

啓発プログラムの診断率に対する影響を予測出来れば、売上に対する効果も予測でき、付加価値分析を実施できます。

無症候性の疾患である

たとえばC型肝炎のように、最終的に肝細胞がんにまで到達することがわかっている重要な疾患であっても、現時点で患者に症状が無いために医療へのアクセスが起こらないという状況があり得ます。

このような場合も、適切な啓発活動が有効である場合があります。

専門医への照会

双極性障害のように専門医による診断が必要な疾患の場合には、適切に専門医への照会が行われるようなネットワークが必要であるし、さらにその疾患を適切な専門医に振り分ける能力を開業医の側が持っていなければなりません。

そのための診療ガイドラインなどの環境整備は、重要なマーケティングレバーとなり得ます。

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