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代表的なドラッグキャリアーと、そのメカニズム〜ターゲティング2

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代表的なドラッグキャリアーと、そのメカニズム

ターゲティングキャリアーの分類 薬物ターゲティング法のうち、運搬体(キャリアー)を利用する方法は最も一般的であり有用性が高いと考えられる

薬物単独で投与した場合、生体内で不活化されたり、目的部位以外に移行してしまうため、標的で十分な効果が得られないばかりか、副作用を生じることとなる。
一方、標的部位に指向性を有するキャリアーを用い、薬物を標的部位に集積させることができれば、十分な治療効果が得られ、また副作用の発現も抑制できる

代表的なターゲティングキャリアー

高分子 分子量約4万以下の高分子は、糸球体ろ過によって血中から速やかに消失することから、一般にそれ以上の分子量の高分子に薬物を結合させたものが利用される。

高分子に結合させることによって、腎排泄が抑制され、血中半減期が延長するが、タンパク性医薬品の場合、タンパク分解酵素からの攻撃回避や、免疫機構からの認識回避など生体内安定性の向上も血中半減期延長に働く要因である。

高分子キャリアー自体には、ターゲティング能を有するものは少ないが、この高分子の側鎖に標的部位のリガンドなどを結合させたものが利用される

抗体

1970年代にモノクローナル抗体の作製技術が開発され、その高い特異性からターゲティングキャリアーとして期待されたが、がん抗原の発現が一定しないことや、当初はマウス由来抗体であったため、ヒトに投与した場合、HAMA(Human Anti-Mouse Antibody)の誘導により、十分な効果が得られなかった。

しかし、バイオテクノロジーの進歩により、マウス定常領域をヒト型に変えたキメラ抗体の作製や、最近では完全ヒト化抗体の作製も可能となり抗体は最も有望なターゲティングキャリアーと考えられている

抗体を薬物輸送のキャリアーと考えた場合、がんにおいては、抗がん剤との結合体のみならず、殺細胞効果のあるアイソトープや毒素と抗体との結合体イムノコンジュゲートも利用可能である。

一方、近年、抗体はターゲティングの薬物キャリアーとしてではなく、抗体自体がターゲティング能を有する薬物として使用され、数多くの抗体医薬品が上市されている。

トラスツヅマブはがん細胞上に発現する上皮増殖因子受容体2型(HER2)に対するモノクローナル抗体であり、HER2をターゲットにし、その作用を阻害する分子標的薬である。

薬物輸送のキャリアーではないが、キャリアーそのものが薬物となりうる抗体は、ターゲティング能を有する医薬品として期待され、今後も数多くの医薬品が開発されると考えられる

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