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物理的標的化・化学的標的化・生物学的標的化〜ターゲティング1

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物理的標的化

局所投与、熱、超音波、光などの外部からの物理化学的刺激により薬物を集積させるか活性化する方法である。
例えば、熱は温度感受性リポソームを用いることにより、熱を与えた部位でのみ、リポソームから薬物の放出が起こる。

また超音波ガスを封入したリポソームに超音波を照射することにより、リポソームの圧壊が起こり、近傍の細胞への遺伝子導入が可能となる。

これらは物理学的装置の発達により、ますます期待される方法である。

化学的標的化

化合物の化学構造を変化させ、標的部位の選択制を高める方法である。
例えば、プロドラッグの手法により、脂溶性を増加させ消化管吸収を増大させるものであり、広義には消化管ターゲティングと考えることができる。

またポリエチレングリコールのような水溶性高分子を結合させ、腎排泄を抑制することにより腫瘍組織部位に薬物を集積させる方法などがある。

生物学的標的化

生体の生物学的な機構を利用して選択的な輸送を行うものである。

1. 特異的輸送系の利用
標的とする細胞に特異的または多く発現する各種トランスポーターや、レセプターを介したターゲティングである。
例えば、がん細胞にはトランスフェリンレセプターが正常細胞よりも高発現していることから、そのリガンドであるトランスフェリンを用いることによって、がんへのターゲティングとなる。

2. 抗体
抗体はその特異性の高さから、ターゲティングキャリアーとして最も期待されている

開発の当初はマウス由来の抗体であったため、ヒト体内で抗マウス抗体が産生されてしまうために、作用が減弱してしまうという欠点を有していたが、遺伝子工学の進歩により完全ヒト化抗体も作製され、現在では数多くの抗体がターゲティングキャリアーとして用いられている。

3. 粒子キャリアー
粒子キャリアーはその粒子径や素材の表面特性により選択的な薬物送達が可能となる

リポソームは脂質膜からなる小胞で親水性薬物は膜の内部の水相に、疎水性薬物は膜の中に含有される。

固形がん組織の血管壁は透過性が高く、微粒子キャリアーが漏出しやすく、さらにがん組織間質に蓄積しやすい。
この性質をEPR効果といい、微粒子キャリアーを用いたがんへのターゲティングの基本戦略となっている。

リポソーム表面はさまざまな機能性分子による修飾が容易であり、修飾分子によるターゲティングが可能である。

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