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治験における被験者への補償措置。承認申請に必要な書類(健康被害補償)

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治験における被験者への補償措置

治験における被験者への補償措置については、GCP第14条において下記の通り定められている。

  • 治験の依頼をしようとする者は、あらかじめ、治験に係る被験者に生じた健康被害の補償のために、保険その他の必要な措置を講じておかなければならない

また、第51条第1項では治験の説明文書に下記の内容が記載されるように定められ、治験に係る被験者に生じた健康被害は、GCPに則り、補償されなければならない。

  • 健康被害が発生した場合に必要な治療が行われる旨(第13号)
  • 健康被害の補償に関する事項(第14号)

「賠償」と「補償」の違い

「賠償」と「補償」では法的な定義が異なるため、事象がどちらに当たるかをモニターは確認しなければならない。
簡潔に述べると、「賠償」とは違法性を前提とするものであり、「補償」とは違法性を前提としないものである。

例えば、「賠償」は故意・過失または債務不履行によって補塡の対象となることから、財産的損害のほかにも、逸失利益や精神的損害なども対象になり得ると解釈されている。
これに対し「補償」は、実際に発生した損害をそのまま補塡するのではなく、補償する側があらかじめ定められた基準に基づき補填するのが一般的であり、逸失利益や慰謝料は通常、「補償」の対象にならない。

解釈には法律上の専門的判断が必要であることから、医薬品企業法務研究会(医法研)が作成した「健康被害補償の目的や手順などの記載のある健康被害補償に関するガイドライン」がある。
多くの治験依頼者は、そのガイドラインに従い補償の対応をしている。

補償の内容

補償の内容としては一般に「医療費」、「医療手当」、「補償金」があり、 PMDAが公表している「医薬品副作用被害救済制度」にも連載されている内容に準じる対応となっている。

〈参考〉治験は一般的に患者をイメージしているが、例えば、第Ⅰ相試験での代表的な対象は健康人である。「医薬品副作用被害救済制度」は患者が対象であることから、健康人については、労働者災害補償または予防接種健康被害救済制度を参考に支払うのが一般的な考え方である

治験依頼者は、治験により生じた健康被害の治療に要する費用、その他損失を補償するための手順をあらかじめ定めなければならない。
健康被害が生じた場合、手順書に従い、健康被害の補償に関する業務を実施しなければならない。

モニターが行う確認事項

モニターは、健康被害に対する補償について、治験開始前に次の事項を確認する。

  • 契約書に補償についての記載があるか(特に賠償事項と混同はないか)
  • 被験者の健康被害の補償について説明した記載がプロトコールにあるか。また、それがGCPを満たす内容であるか
  • 同意説明文書に補償について記載があり、被験者の安全が保護されているか

治験に係る健康被害が生じた場合、補償の対象となるか否かを判断するため、事前に情報を収集しなければならない。

また、収集しなければならない情報および補償までにモニターが行う業務について、以下に解説する。

  • 治験責任医師・分担医師、CRCより健康被害に関する情報を入手する。
  • 必要な情報は依頼者により異なる。
  • 依頼者へ、健康被害に関する情報を報告する。
  • 医療機関の関係者(責任医師または分担医師、CRC、治験事務局)へ補償内容・補償方法などを伝達し、医療機関を通じて被験者への対応を行う。

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