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DNAアルキル化剤・白金錯体~医薬品開発の標的となる代表的な生体分子5

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DNAアルキル化剤

アルキル化剤はおもにDNAのグアニン塩基の7位の窒素原子と反応してアルキル化しDNA鎖間あるいはDNA鎖内に架橋構造を形成することにより複製や転写ができないようにする。
DNAではなくRNAや細胞内タンパク質と反応する場合もある。

白金錯体

dna1

細胞増殖が白金電極を用いた実験系で阻害されることから、その原因物質の究明が行われ、悪性腫瘍治療薬として白金錯体が誕生した。

医薬品例:シスプラチン

シスプラチンは、塩素イオン濃度の低い細胞内で塩素が外れてDNAのグアニン塩基に結合することにより、DNA合成や腫瘍細胞の増殖を阻害する。

腎毒性の高い副作用が認められることから、より副作用の少ないカルボプラチン、ネダプラチンやオキサプラチンが開発されてきた。

白金錯体は、抗腫瘍活性を有する一方で副作用として非常に強い骨髄抑制作用や腎機能抑制作用があらわれるので注意深く使用することが必要である。

・抗腫瘍抗生物質
微生物が産生する抗生物質の中に抗腫瘍性の示すものが多く見出されており、骨格別ではアントラサイクリン系、アントラキノン系、マイトマイシン系、ブレオマイシン系およびエンジイン系に分類されている。

・有糸分裂阻害薬(M期特異性薬)
がん細胞は、正常細胞と比較してG0期がないことから、細胞の増殖能は大きくなっている。この細胞周期のM(Mitosis)期は、細胞分裂に必要な微小管が脱重合し、紡錘体が形成される。また、微小管はα-チューブリンおよびβ-チューブリンが相互に結合したヘテロ二量体で形成され、定常状態では重合と脱重合の平衡がとれている。このことから、チューブリンの重合や微小管の脱重合を阻害する薬物は、腫瘍細胞において細胞分裂を停止することが可能となる。コルヒチン、急性白血病薬ビンクリスチン、ビンブラスチンが知られており、パクリタキセル(タキソール)、ドセタキセル(タキソテール)も同様の作用を示し、卵巣がん、乳がんおよび非小細胞がんなどに使用される。
医薬品例:タキソテール

・抗ウイルス薬
ウイルスは遺伝情報を行うDNAとRNAおよびそれを保護する外被タンパク質で構成された分子集合体であり、感染性を有している。ウイルスはホストの細胞内に取り込まれ、巧妙に共生を図っている。これらの核酸合成系に対して阻害活性を示す医薬品が開発されてきた。
医薬品例:アシクロビル、ガンシクロビル
グアニンと類似の構造を有しており、ヒト細胞ではリン酸化されないが、ヘルペスウイルス・チミジンキナーゼ(HSV-TK)により三リン酸へと変換されたウイルスのDNAポリメラーゼを阻害する。

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