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化合物ライブラリーの種類~スクリーニングの対象となる化合物の起源3

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化合物ライブラリーの種類

さまざまな指標から化合物の評価が行われているが、製薬企業が保有する化合物ライブラリーの数は、多くても数百万件であるが、創薬リソースの全体からみればわずから部分であり、そのなかでヒット化合物の効率を上げるためには、できるだけ多様性に富んだ化合物を取りそろえることが必要とされる。

なるべく多くのスクリーニングを実施して、効率的にヒットを得るために多様性に富んだ化合物の構造決定に時間がかることやその後のスケールアップが困難であるため、リソースを減らしている企業もあるが、自然界にある天然物からは多くの医薬品候補化合物が見出されてきているので、その多様性は魅力的である。

化合物ライブラリーは、多様性を追求する一方、医薬品になり得る多くの化合物を持つことが重要である。
そのため、特定のターゲットに的を絞って化合物を揃えたライブラリーも、ニーズが高いので、創薬のターゲットとなり得るタンパク質にフォーカスしたライブラリーが準備されている。

コンビナトリアルケミストリー

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従来の合成法では、一人の研究者が年間50~100個の新規化合物を合成するのがやっとであった。
一方スクリーニングの技術は長足の進歩を遂げ、最近では1日で10万検体以上の化合物を評価することが可能となっている。

またヒトゲノムの解析などにより、潜在的な薬のターゲットが爆発的に増加してきている。
そこで合成化学と生物一次評価の需給ギャップが生まれ、化合物を短期間に数多くつくることができる技術が求められるようになり、1990年ごろにコンビナトリアルケミストリーが登場した。
この技術を用いれば年間数千から数十万の化合物が合成できる。

「コンビナトリアルケミストリー」とは直訳すれば「組合わせの化学」であり、さまざまな要素(ブロック)から構成される化合物のそれぞれの要素を多種類ずつ用意し、その考えられる組み合わせを一気に合成しようとするものである。
例えばある化合物の骨格Tに置換可能な部位が4カ所あり、それぞれに活性が期待できそうな100種類の置換基を導入すると理論上は合計1億種類の化合物が合成できることになる。

実際には1億もの化合物を合成することはなく、通常は数十から百万程度の化合物を合成することが多い。
従来はガラスフラスコで1つずつ合成してきたのと違い、このように多くの化合物を合成するためには新しい技術と工夫が必要で、そのためにコンビナトリアルケミストリーは半導体やマイクロ加工の技術、自動化技術などのさまざまな分野の先端的な研究成果を取り入れて進歩してきた。

新しいターゲットに対して有望なリード化合物を見出すことができる「リード創出用化合物ライブラリー」と、見出されたリード化合物の活性、体内動態、物性等を改善し開発化合物を見出すための「リード最適化用化合物ライブラリー」の合成が重要である。

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