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エアゾール剤とその類似製剤

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エアゾール剤に用いられる噴霧剤

噴霧剤は、無色、無臭、化学的安定かつ刺激性がなく、人体に無害であることが必須である。

噴出用ガスに求められる条件として、
a.適度な圧力を持つ、
b.単独あるいは、容器や薬液に対して化学的に安定である、
c.毒性がない、
d.無色、無臭、
e.噴霧剤と薬液が互いに溶解、乳化するなどがあげられる。

エアゾール剤の噴出用ガスには、安定性、安全性の点からフロンガスが広く用いられていた。
しかし、1992年、コペンハーゲンで行われた「モントリオール議定書第4回締約国会議」において、ヘアスプレーや防虫剤などの噴霧剤として用いられてきたクロロフルオロカーボン、いわゆる特定フロンガスが、オゾン層破壊による地球温暖化を促進するということを理由に、1995年生産分をもってすべてその使用が中止されることが決まった

定量噴霧式エアゾール剤の噴出用ガスであるクロロフルオロカーボンは、1995年の後も、例外的に使用が認められたことから、わが国では2005年まで使用されていた。
しかしながら現在では、これらフロンはすべて塩素を含まないフッ化炭化水素類のHFA134a・HFA227の代替フロンに置き換わった。
ただ、この代替フロンに関しても、地球温暖化物質に変わりないことから、今後、オゾン層に悪影響を与えず、人体に安全に用いられる噴出用ガスの開発が進められている

エアゾール剤の容器、噴出機構

日本薬局方について、エアゾール剤に用いる容器は、密封容器とされている。

エアゾール容器は噴射剤による内圧を保持できる程度の耐圧性や気密性に優れた缶および内容物の噴射をコントロールするバルブ機構により構成される。
通常、このエアゾールに係るデバイス(エアゾールの容器)は、バネにより上方に付勢された状態で上下方向に移動可能に支持されたステムを押し下げることによって開放されるバルブ機構と、システムの先端部に取り付けられるボタン(アクチュエーター)などを備えている。
そして、使用時には、ボタンを下方に押圧する等によりバルブ機構を開放し、押し下げられたシステムを通じて容器内の内容物を噴口から噴射させる。
なお、吸入療法において使用される、加圧式定量噴霧式吸入器のことを、通常pMDI(pressurized Metered Dose Inhaler)と呼ぶ。

肺内沈着には2〜8μmの粒子径が理想的であるが、pMDIにより噴出された薬剤粒子は、外気温との温度差によって溶媒が蒸発を伴い、目的とされるエアゾールの粒子径となるよう設計されている。

エアゾール剤類似製剤

超音波や加圧式ネブライザーなどの吸入器や、特殊なディスペンサーを用いて、液状、懸濁状または粉末状の医薬品を噴霧または吸入して用いられるものがある。
特に薬物吸入療法において使用されるドライパウダー吸入器(Dry Powder Inhaler:DPI)は、患者自らの吸引動作で、パウダーを吸入できることから、pMDIのようにエアゾールを吸気するときの同調動作が必要ないため、比較的その使用は容易とされる。

また代替フロン(HFA-134aなど)を用いていないため、温暖化にも影響しないなどの利点がある
ただし、DPIには密封容器の規定はないことから、吸入や噴霧の際に容器の汚染には注意が必要である。
また、吸引力の低下した高齢者では、十分な吸引速度が得られないことから、pMDIと吸入補助器(スペーサー)の併用が好ましい場合もある。

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