HOME > すべての記事 > 立体異性体と生物活性の関係 > 生体分子との相互作用に及ぼす立体異性の影響~立体異性体と生物活性の関係1

生体分子との相互作用に及ぼす立体異性の影響~立体異性体と生物活性の関係1

1976view

異性体とは

医薬品を認識する生体分子のリガンド結合部位は、分子間相互作用でリガンド(医薬品)と結合できるような官能基や疎水性部分が存在するような特定の形状を有している。

例えば医薬品が受容体に結合して作用を発揮するには、その条件を満たす分子形状とともに官能基や疎水性部分が適切に空間配置されている必要がある。
すなわち薬理作用を発揮するための適切なコア構造(ファーマコフォア)を有している必要があり、医薬品分子の立体構造は生理活性にとってきわめて重要である。

異性体は、同じ分子式を持った異なる化合物で構造異性体立体異性体に分類される。
また立体異性体は、原子の空間的な配置だけが異なる関係で、鏡像異性体(エナンチオマー)ジアステレオマーに分類される。

鏡像異性体は当該分子が互いに鏡像の関係にある立体異性体であり、ジアステレオマーは、当該分子が互いに鏡像の関係にない立体異性体である。

鏡像異性体の関係にある2つの分子は光学活性(キラル)であると言い、不斉炭素原子を有している。

2つ以上の不斉炭素原子が存在する場合には、分子内に対称面を持っているとキラルではなくなる。
最も単純で一般的な光学活性化合物は、グリシンを除いたアミノ酸である。

生体分子との相互作用に及ぼす立体異性の影響

bunshi1

キラル中心を持つ医薬品は、その立体構造の違いによって薬物受容体との相互作用に大きな違いを示す場合が多い。

酵素あるいは受容体が医薬品と相互作用する場合、その薬物が作用点に到達し適切な反応を引き起こす必要がある。

作用点が数カ所ある場合はそれらがすべて作用するような空間的配置が要求される。
また、たとえ空間的な配置が適切であったとしても大きさや形が異なれば作用しないことも当然考えられる。

鍵と鍵穴で説明されるように反応部位と反応物が同じような大きさで同じ形をしていることが必要である。

鏡像異性体において、立体構造の違いはそれぞれの医薬品の形の違いを意味し、したがってどちらか一方においては望む場所での適切な相互作用が期待できなくなる。
すなわち、一対の鏡像異性体間においては立体配置と立体配座の違い、受容体との結合様式の違いおよび作用部位の違いなどを因子とする受容体の立体構造変化が生じる。

>> 「現役薬剤師の転職体験談」に進む

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

掲載中の案件一覧

「立体異性体と生物活性の関係」カテゴリの関連記事