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被験者を対象とした薬物動態試験~臨床開発の展開と目的9

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花粉症や過活動膀胱など、症状の軽減を目的とした医薬品の開発での臨床第?相試験では、その臨床的なQOLの改善に結びつく客観的な評価項目が必要となる。
くしゃみなどの臨床症状をスコア化したものや、1日の排尿件数などの実際の症状を評価項目とすることが多い

さて、バイオマーカーとしてこのような評価項目が使用されるが、一方で、非臨床試験の薬理学的な作用機序として薬効が期待される物質であっても、実際の臨床的な効果が第?相試験で認められない場合は少なくない。
つまり、その薬物が有効でないと判断されることとなる。

臨床試験を成功させるためには、臨床的に有効であるということを、surrogateendpointで証明する必要があるが、特に第Ⅱ相試験においては、さまざまなバイオマーカーの開発が行われることにより、ダーウィンの海からの淘汰を免れようとする努力がされている。

 

被験者を対象とした薬物動態試験

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薬物動態試験は、通常、健康成人を対象として実施されるが、最近では患者を対象とした試験が実施されるようになってきた。
これは健康成人と患者の薬物動態が必ずしも同一ではないことに起因する。
特に、疾患のある患者の物資の吸収の態様が健康成人とは異なる気管支喘息治療薬などについては、患者を用いた試験が必要である。

また、最近では、薬効に関連する遺伝子解析やコンパニオン診断薬(Companiondiagnostics)の開発についての研究も同時に行われる場合があり、第Ⅱ相試験における検討事項は非常に多彩となっている。

 

臨床第Ⅲ相試験

臨床第Ⅲ相試験は第Ⅱ相試験の結果を受けた検証試験である。
すなわち、たとえ膨大な費用と時間をかけて実施した臨床試験であっても、その結果について誤りがある可能性は否定できず、一試験の結果のみでは有効性と安全性が示されたとはいえない。

このため、次のステップとして、前相の試験結果を検証することを目的とした第Ⅲ相試験が行われることとなる。
ここに至る物質はすでに「かずら橋」を渡ってきており、淘汰の可能性は前相より低く、医薬品としての物質が承認されるまでにあと数歩の段階である。

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