HOME > すべての記事 > 臨床開発の展開と目的 > 試験の目的と試験デザイン~臨床開発の展開と目的7

試験の目的と試験デザイン~臨床開発の展開と目的7

454view

試験の目的

第Ⅱ相試験の主な目的は2つに分けられる。

第一は患者を被験者とする最初の試験を実施することであり、その物質を投与したときの安全性を患者で確認することである。
ここでいう安全性とは、例えば最大投与量の安全性、あるいは特定の可能性のある有害事象の発生の有無であり、第Ⅲ相試験や第Ⅳ相試験で収集されるべき発生頻度の低い安全性情報をこの段階で収集することは困難である。

第二は有効性に関して用量反応性を確認することである。
すなわち、単なる物質としての薬効を確認するのみではなく、適切な投与量、投与間隔を検討することがその目的である。
ここでいう有効性とは、決定的な有効性を示す指標を用いる必要はなく、これに相当するバイオマーカーを使用することも少なくない。
この結果に基づいて次の第Ⅲ相試験の試験デザインが決定されるため、最終的な薬物の用法・用量はこの段階でほぼ決定されるといえる。

以上の2つの目的を達するために第Ⅱ相試験が実施される。
第Ⅱ相試験は第一の目的のための前期第Ⅱ相試験と、第二の目的を明らかにするための後期第Ⅱ相試験の2つの試験によって構成されおり、これらの試験が段階を経て実施される場合が一般的である。

 

試験デザイン

臨床試験の試験デザインはその目的により大きく異なる。
第Ⅱ相試験においては、第Ⅰ相試験のデータをもとに患者を対象とした用法・用量を確認するための試験が行われる。

その最初の段階として、前期第Ⅱ相試験では、第Ⅰ相試験の結果より少数の被験者を対象として試験が実施され、投与される用量の安全性が確認される。
ここでは必ずしもプラセボ対象試験が行われるわけではなく、実薬のみを用量を変えて投与されることが多い。
したがって、有効性の評価においては、さまざまなバイアス(偏り)が生じる可能性がある。

例えばプラセボ効果や、研究者、患者の思い込みなどはその一例である。
投与量の安全性を確認するために、患者を対象に最大用量までいくつかの用量群(低用量、中等量、高用量)に振り分ける場合と、最大用量まで漸増する場合がある。

 

抗がん薬の場合は低用量からスタート

9286
また、抗がん薬の場合は低用量からスタートし、安全性を確認しながら増量を行う。
この場合、重篤な有害事象が頻繁に発生する場合は増量を中止することとなる。
さらに、安全性として心臓、肝臓、腎臓など、特定の臓器障害が生じるかどうかが確認される。
また、物質の薬物血中濃度を確認するための試験も同時に実施される。

 

用量設定試験

次に、後期第Ⅱ相試験として用量設定試験が実施される。
ここではプラセボ対象用量反応性試験を実施するというのが基本的なスタイルであり、プラセボを対象とした複数の用量による有効性と安全性の比較が行われる。
薬効については用量依存的に高くなる傾向はあるものの、その限界があるため、一定の用量で効果が頭打ちとなることが多い。
さらに有害事象は用量依存的に増加する傾向があり、至適用量の選択を本試験で実施することが可能となるよう、試験計画を立案することが重要である。

>> 「現役薬剤師の転職体験談」に進む

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

掲載中の案件一覧

「臨床開発の展開と目的」カテゴリの関連記事