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ファーマコゲノミクス~臨床開発の展開と目的4

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ファーマコゲノミクス

ファーマコゲノミクス(Pharmacogenomics)は、薬物応答と関連するDNAおよびRNAの特性の変異に関する研究と定義され、薬物応答には、薬物の吸収およびそれ以降の体内動態、および効果(例:PD、薬物の有効性、副作用)が含まれる。
非臨床の薬物動態試験の結果から、例えば薬物の代謝過程に遺伝子多型のある代謝酵素(例:CYP2D6、2C9、2C19など)の関与が認められる場合は、臨床第Ⅰ相試験のなかでファーマコゲノミクスを検討し、PKの個体差の原因探索が可能である。
具体的には、被験者のDNA試料を用い、代謝・排泄に関わる酵素などの遺伝子型を調べ、PKの個体差と当該酵素の遺伝子型の関連性を研究する。

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一般に、PKの個体差は、薬物の吸収、分布、代謝、排泄のプロセスに影響を与える因子の変動により生じる。
遺伝子型のある酵素・トランスポーターが代謝・排泄過程に寄与する場合は、個体差が特に大きくなることがあり、場合により、遺伝子型による用量調整を考慮する必要がある。
例えばCYP2D6の基質として知られるアトモキセチン、デシプラミンにおいて、PoorMetabolizer(PM)のAUCはExtensiveMetabolizer(EM)に比べ、それぞれ8倍および4~8倍上昇したという報告がある。

また、CYP2CD6ではPMの頻度に人種差が存在するが(頻度:日本人1%以下、白人7~12%)、この差は原因となる変異遺伝子頻度の人種差で説明が可能である。

また、事前に多型のある代謝酵素などの関与が明らかでない場合でも、臨床試験の結果、PKに大きな個体差が認められた場合に、原因解明の1つの手段として後ろ向きのファーマコゲノミクス解析が有効な場合がある。
この解析は、被験者の同意のもとに採取・保管されているDNA(あるいは血液)試料を用い、後ろ向きに探索的に遺伝子型とPK個体差との関連性を解析するものである。

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