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臨床試験における有効性評価~有効性や安全性は、なぜ人間で試験されなければならないのか2

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無毒性量と臨床試験における用法・用量

第Ⅰ相試験において初めてヒトに投与されるファースト・イン・ヒューマン被験薬の用量は初回投与量と呼ばれ、算出のためには薬理学的な用量反応性や薬理学的/毒性学的プロファイルおよび薬物動態を含む。

関連するすべての非臨床試験成績を考慮する必要がある。
既承認薬について非臨床試験成績と臨床試験成績を比較すると、一般に第Ⅰ相試験(通常は健康成人)の投与量は低用量、中用量および高用量などの複数用量が設定され、無毒性量を上回らない場合が多いが、細胞毒性型抗悪性腫瘍薬に該当しないゲフィチニブの第Ⅰ相試験の事例のように、被験薬の特性により無毒性量を超える用量が使用されることがあり、さらに医薬品添付文書での用法・用量は無毒性量の4倍を超えるため、毒性試験成績のヒト安全性評価への利用には限界がある

 

無毒性量・曝露レベルと臨床用量・曝露レベル

第Ⅰ相試験では安全性に加えて薬物動態特性が検討され、無毒性量を下回る臨床用量を使用した場合の曝露レベル(CmaxおよびAUCなど)は、無毒性量での曝露レベルを下回る場合が多いが、無毒性量を下回る臨床用量を使用したにもかかわらず曝露レベルが無毒性量での曝露レベルを上回る場合がある。

毒性試験で発現した毒性がヒトでも同種類および同程度に発現するとは限らないが、このような薬物の場合、非臨床試験成績のヒト試験への外挿が困難となるため、第Ⅰ相試験終了後の臨床試験では、安全性評価項目の設定や薬物有害反応の検出に関して慎重な検討が必要である。

 

非臨床試験の限界

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被験薬の目的とする有効性や安全性は非臨床試験で詳細に検討されるが、実験動物とヒトとの間には大きな種差が存在し、非臨床試験成績のヒトにおける有効性および安全性評価への利用には限界があるため、実験動物で得られたヒトにおける有効性および安全性の推測は、健康成人や適用対象となる患者を被験者とした臨床試験で評価されなければならない。

 

臨床試験における有効性評価

薬効薬理試験で得られた主要な薬効の薬理学的根拠(作用機序)および用量(濃度)-反応関係と作用持続時間に関わる情報は、臨床試験において有効性を評価するための指標(評価項目、endpoint)を用いて評価される。
第Ⅰ相試験の後に実施される第Ⅱ相試験では、有効性評価項目(例:血圧など)を設定し、比較的均質な集団となるように、比較的狭い基準に従って選択された患者を対象として用法・用量の探索を行う。

次に第Ⅲ相試験では、第Ⅱ相試験で推測された用法・用量を用いて、標準薬を対照として実際の治療に近い状況での有効性を評価するため、第Ⅱ相試験では設定された有効性評価項目などを用いて多くの患者に対して被験薬が投与される。
また市販後においては、承認された適応疾患における使用を指支持するための臨床試験(例:死亡率や罹病率に関する試験など)が行われ、有効性や安全性に関わるさらなる情報の収集が行われる。

臨床試験における評価項目として血圧などの客観的指標が用いられるが、外国においてこれまでに報告された医薬品の有効率は、対象とする疾患(症状)群で80~25%と大きく異なり、選択および除外基準が満たした被験者を組み入れた臨床試験であっても、20~75%のノンレスポンダーが存在することを示している。
臨床試験で設定する評価項目(endpoint)の種類による影響も考えられるが、非臨床試験で得られた有効性に関わる情報は、臨床試験において探索および検証される必要がある。

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