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新薬群とプラセボ群で測定~臨床研究における統計学の基礎 4

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新薬群とプラセボ群で測定

臨床研究では、新しい医薬品の候補を今使われている医薬品やプラセボ(生理活性物質を含まないが、本物の医薬品とそっくりな偽薬)と比較し、その効果を検証することがある。
ランダム化で分けた2つの患者のグループのうち、片方に新薬候補の投与を割付け(新薬群)、もう一方にプラセボの投与を割付ける(プラセボ群)。この両群で医薬品の効果を表す指標を測定し、結果を比較する。

ここで、新薬群とプラセボ群で測定された結果が違うかどうかの判定に、統計学的検定が用いられる(以下、検定という)。

ランダム化を用いた比較

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風邪の患者に新薬を投与した24時間後に測定した平均体温は36.9℃、プラセボを投与した24時間後の平均体温は38.9℃であったとする。
この平均体温の2℃の違いがたまたま生じた差であったなら、これら2つのグループの体温に「本当は」違いはないということになる。もし、たまたま生じた差ではないということになれば、新薬群とプラセボ群には平均体温に関する違いがあることになる。
このとき、前述したランダム化を行ない両群の妥当性が満たされていれば、体温の差の違いが投与された医薬品に起因すると考えることができる。

このように、ランダム化を用いた比較は因果関係を推定するための強力な根拠を与えることができる。

検定の考え方

もし、2つのグループの平均体温の差が偶然生じた(=体温の差が本当は0である)のであれば、実際に観察された平均体温の差の分布は0を平均とする正規分布と矛盾しないはずである。
正規分布は平均から離れるほど、その観測値を含めてより離れた値が出現する確率pは低くなる。

よく、有意水準を表すα=0.05という記載があるが、これは20回測定してみて1回未満しか観察されないようなまれな頻度の観測値だったときは統計学的有意(statistically significant)とすることであり、先の事例でいれば0を平均とする正規分布と矛盾するデータが得られたと考える。
そして、当初の平均体温の差が0とう仮定が正しくない。平均体温の差は0ではないと考えるのが検定の考え方である。

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