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薬物動態試験は動物とヒトの橋渡しのキー – 非臨床試験4

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副次的薬理試験・安全性薬理試験

生体に投与された化合物がある限られた作用のみ(例えば、主作用のみ)を示すということは極めてまれである。ほとんどすべての化合物は程度の差はあるにしても、体内の多くの部位に作用すると考えなければならない。そのため当該物質の目指す薬効の種類にかかわらず、その作用全般について検討し整理しておく必要があり、この知見は将来臨床試験において人に起こり得る有害反応に対する備えとなる。
従来、「一般薬理試験」とよばれた試験項目、

  • ①一般症状および行動に及ぼす影響、
  • ②中枢神経系に及ぼす影響、
  • ③自律神経系および平滑筋に及ぼす影響、
  • ④呼吸・循環器系に及ぼす影響、
  • ⑤消化器系に及ぼす影響、
  • ⑥水および電解質代謝に及ぼす影響等、

のうち、化合物の特性に応じて必要と考えられる項目が検討される。安全性薬理試験には、生命維持に特に重要な機能である中枢神経系、心血管系、呼吸器系に対する化合物の作用を検討する試験(=コアバッテリー試験)が含まれている。
 

薬物動態試験は動物とヒトの橋渡しのキーとなる

この試験の目的は、化合物を動物に投与した後の動物体内での動き、つまり吸収速度と量、代謝の様式、体外への排泄速度と経路、各種臓器組織における局在性等に関する知見を得ることにある。これらの知見は、動物で得られたデータをヒトに有効かつ安全に適用しようとする場合の理論的根拠になる。特に、化合物の血中濃度は動物とヒトをつなぐデータとなり、動物からヒトへ移る際の類推を容易にしてくれる。検討項目として以下のようなものがある。
 

吸収

化合物を動物に投与後に経時的に血液を採取し、血液中の化合物の濃度を測ることにより、化合物の血中濃度‐時間曲線が得られる。このグラフから吸収の程度と速度を明らかにする。薬効発現用量および毒性発現用量での血中濃度‐時間曲線は、それぞれ薬効薬理試験および毒性試験で求めておくようにする。
 

分布

医薬品としての役割と果すには、必要なところへ到達することが求められるので、化合物の各種臓器および組織への分布の経時的変化が検討される。また、体内に蓄積するものは好ましくないので蓄積性も明らかにする。
 

代謝

化合物およびその主要な代謝物の同定と定量を行い、代謝経路および代謝の程度と速度を明らかにする。代謝物のなかには、元の化合物よりも毒性や薬理活性の強いものが見出されることがあるので精査する必要がある。
 

排泄

化合物およびその主要な代謝物の排泄経路(尿、糞、呼気、胆汁、乳汁等)ならびに排泄の程度と速度を明らかにする。医薬品としての役目を終えたら体内から消失することが求められるので、排泄されることを検討する。
 

薬物代謝酵素への影響

薬物代謝酵素への影響(酵素阻害または酵素誘導)を調べる。

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