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効力を裏づける試験・薬効薬理試験について – 非臨床試験3

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開発候補化合物をヒトで試験するための橋渡し:薬理試験その他

 

薬理作用に関する試験では効き目と安全性双方を確かめる

この試験には、目的とする治療標的に関連した作用(いわゆる、主作用)を調べる試験と目的とする治療標的に関連しない作用(主作用以外)を調べる試験とがあり、後者は毒性試験同様、安全性を検討する性格を持つことになる。
 

効力を裏づける試験(薬効薬理試験)

医薬品候補化合物は将来試験に適用されて治療効果を発揮すべきものであるから、その治療目的に直接関わる効力を裏づける試験が最も重要であり、薬効薬理試験において有効性を示す用量(=薬効量)が検討される。有効性を確かめるためには、病態に直結するようなin vivo試験(生体内での試験)実施が望ましい。例えば、降圧薬の効果は健常動物を対象として試験を行うのではなく、高血圧動物を用いて降圧作用を評価すべきである。現在、各種の病態について多くの病態モデルが作られてはいるが、新薬の有効性を予知できるものもあれば、必ずしも満足できないものもある。それらのうち、高血圧自然発症ラット(SHR)、自然発症糖尿病マウス(KKマウスやNODマウス)、脳卒中易発症性高血圧自然発症ラット(SHR SP)、肥満ラット(OLETFラット)、遺伝性尿崩症ラット、遺伝性てんかんマウス(ELマウス)等は優れた病態モデルといわれている。医薬品として常用されている降圧薬でSHRでは降圧作用を示すが、正常圧ラットでは降圧を示さないものが多数ある。

上記の自然発症型の病態モデルに加え、最近では遺伝子操作(遺伝子改変)によるものとして、標的遺伝子を欠損させたノックアウトマウスと特定遺伝子を移入したトランスジェニックマウスがある。アルツハイマー病モデルハウス(PS2マウス)、関節リウマチ等のモデルマウス(D1CC)、アトピー性皮膚炎モデルハウス(NCヘアレスマウス)などのトランスジェニックマウスが市販されている。さらに、特定の研究室で独自に開発された、その他の疾患分野のモデルもいくつか知られている。

医薬品開発においてその成否を占う機会はいくつかあり、そのなかに少数の患者の臨床第Ⅱ相初期試験(Phase Ⅱa)におけるProof of Concept(POC)試験がある。POCとは、「開発中の化合物について、研究段階で想定した創薬ターゲットへのアプローチが、研究当初に医薬品として期待した効果を発揮することの裏づけ」を意味するので、ヒト患者でのPOCが検証できれば、開発に弾みがつくことになる。そのためには臨床試験の前段階である非臨床試験の薬効薬理試験において、上で述べたような病態動物モデルの善し悪しが重要となる。

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