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毒性試験は「最大無毒性量」 – 非臨床試験

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毒性試験は「最大無毒性量」と求める

一般に化学物質が毒性を示さないということはないが、医薬品とするにはどの用量まで安全か(=最大無毒性量)を見極める必要がある。そこで、次に述べる各種の毒性試験を通じて、その化合物の最大無毒性量を求めることが毒性試験の主な目的である。
最大無毒性量は、「薬効薬理試験」で有効性を示す量(最小薬効量)を上回る必要がある。そうでない場合は、薬効が出るのとともに毒性も発現してしまうと考えられ、医薬品とはなり得ない。また、最大無毒性量は、臨床第Ⅰ相試験において開発化合物が初めて人に投与される際の投与量を算出する主な基準となる。よく用いられる算出方法として、「最大無毒性量の1/60」というものがあるが、これは経験則であり、その妥当性が科学的に確認されたわけではない。
各種の毒性試験のうち、初めに述べる単回投与毒性試験および反復投与毒性試験を一般毒性試験、それ以外のものを特殊毒性試験とよぶ。
 

単回投与毒性試験(急性毒性試験)

哺乳動物に医薬品候補化合物を比較的大量、1回だけ投与し、その物質がどのような毒性を示すかを把握することを目的とする。かつてはLD50(実験動物の半数が死亡する化合物の量)が求められたが、現在は動物愛護の観点からこれは必ずしも必要とされない。
 

反復投与毒性試験(亜急性、慢性毒性試験)

ある一定量の化合物を哺乳動物に繰り返し投与し、毒性変化が現れる用量(=最小毒性量)および毒性変化の認められない用量(=最大無毒性量)を見出す試験である。投与期間は将来の臨床での使用予想期間に依存する。例えば、心筋梗塞のような急性の疾患薬の開発を目指す場合には2週間~4週間でよく、生活習慣病(高血圧、高脂血症等)のような慢性の疾患用薬を目指す場合には6ヶ月~9ヶ月の投与が義務づけられている。
上記の単回投与および反復投与毒性試験において用いられる動物は2種類以上で、1種はげっ歯類(一般にはラット)、1種はウサギ以外の非げっ歯類(一般にはイヌ、時にはサル)とされている。また、投与経路は将来の臨床での適用経路とされている。
 

生殖・発生毒性試験

生殖・発生の過程、つまり親のみならず次世代に対する影響を調べる試験で、3種の試験、「受胎能および着床までに初期胚発生に関する試験」、「出生前および出生後の発生並びに母体の機能に関する試験」、「胚・胎児発生に関する試験」、がある。サリドマイド事件(精神安定剤であった同薬を服用した妊婦に奇形児が産まれた薬害)の教訓である。

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