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薬物の剤形修飾〜代表的なプロドラッグとそのメカニズムおよび有用性6

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薬物の剤形修飾

薬物が消化管やその他の粘膜吸収部位において分解されやすい場合、投与部位に存在する分解酵素との接触を防止する剤形修飾が一つの有力な方法となる
こうした剤形修飾を試みる場合、通常、薬物を脂質分散系であるリポソームやエマルションに包含させることが多い。
こうした剤形にインスリンなどの薬物を封入し、経口投与すると水溶液では消化管内で分解されやすい薬物が安定化され吸収される。

特に、最近、こうした生理活性ペプチドを消化酵素などの分解酵素が少なく分解されにくい大腸に特異的に送達し、大腸から薬物を吸収させる試みがなされている。

薬物を大腸に特異的に送達する方法にはpH依存型の放出制御製剤、時間依存型の放出制御製剤、大腸で親薬物により分解するアゾポリマーでコーティングしたペレットやキトサンカプセルなどを用いてインスリンの大腸特異的送達を試みる例も報告されている

この他に、こうした生理活性ペプチドを不飽和脂肪酸で調整したエマルション、表面修飾リポソーム、ナノパーティクル、ナノスフェアーなどの剤形を利用して吸収改善した例も報告され、こうした方法も有力な方法になりうると思われる

薬物の新規投与経路の開発

従来、経口投与でほとんど吸収されない薬物は、注射により投与されることが一般的であったが、注射は患者に苦痛を伴い、また頻回投与の際のアレルギー反応や局所組織への障害性などの副作用が発現する可能性がある
そこで現在、こうした経口や注射に代わる投与経路としては、鼻、口腔、眼、肺、膣、直腸などの各種粘膜吸収経路を利用する研究が進められている。
こうした粘膜吸収部位は消化管と形態学的に異なり、また消化酵素による分解を受けないため、経口投与で吸収されにくい薬物でも吸収される可能性がある。

また経粘膜から吸収された薬物は肝臓を経ることなく直接全身循環に到達するため、肝臓での初回通過効果を受けやすい薬物にとっても好都合である。

これら投与経路のうち、薬物の経肺吸収は、比較的高分子薬物に対しても透過性が良好であることから、生理活性ペプチドの全身作用を期待した投与経路として注目されている

薬物の経肺吸収性が良好な原因は、肺の上皮細胞が非常に薄い構造を有しており、肺胞腔内と毛細血管との間の距離はきわめて短いこと、肺胞の数は非常に多く、その表面積がきわめて広いことによると考えられている。

こうした解剖学的に薬物吸収に有利な構造を有するため、従来消化管からほとんど吸収されないインスリンのような高分子薬物や難吸収性薬物が吸収されることが確認されている

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