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薬物の分子構造修飾〜代表的なプロドラッグとそのメカニズムおよび有用性5

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薬物の分子構造修飾

吸収促進剤やタンパク分解酵素阻害剤などの添加物を利用する方法は薬物の吸収改善にきわめて有用なアプローチであるが、これら添加物はしばしば粘膜に対して障害性や刺激性を有することが多い。

また対象薬物以外のバクテリアや毒素などの有害物質の吸収が吸収促進剤により増大する可能性もあり、薬物の選択的な吸収改善という点では十分とはいえない。

そこでこうした観点から最近、薬物自体を化学修飾することにより吸収を改善する試みがなされている。
薬物を化学的に修飾する場合、プロドラッグやアナログが合成されることが多い

プロドラッグ

薬物が有する種々の欠点を改善するため、その薬物の分子構造を一部修飾したもので、体内に入って修飾目的を達成した後、化学的あるいは酵素的に元の薬物(Parent drug)に復元されて薬理活性を発現する化合物をプロドラッグとよぶ。

消化管吸収改善を目的としたプロドラッグの一例としては、難吸収性抗生物質アンピシリンのプロドラッグであるバカンピシリンタランピシリンなどがあげられる。

アナログ

ある薬物の化学構造を修飾し誘導体を合成した時、その誘導体が元の親薬物に復元されなくてもそのもの自体が薬理効果を有する場合、その誘導体は元の薬物のアナログ(analog)とよばれる。

こうしたアナログの合成によってもプロドラッグの場合と同様、薬物の吸収を改善できることが報告されている。

一例として、インスリン、カルシトニン、エンケファリン誘導体、テトラガストリン、thyrotropin releasing hormone(TRH)などのペプチドの分子構造に各種鎖長の異なる脂肪酸を導入したアシル化誘導体を合成し、これらアシル化誘導体の吸収性が、元のペプチドに比べ増大することが報告されている。

また、最近、分子生物学の発展に伴い、消化管にグルコースやペプチドのトランスポーターが存在することが明らかになり、こうした生体の基質認識特性を利用して薬物の透過性を改善する試みもなされている

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