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タンパク分解酵素阻害剤〜代表的なプロドラッグとそのメカニズムおよび有用性4

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タンパク分解酵素阻害剤

薬物の中には、膜透過性自体はそれほど悪くないのにもかかわらず、実際には経口投与後ほとんど吸収されないものが見受けられる。
この原因の一つはこれら薬物が、消化管内や肝臓において代謝を受け、分解されることによる。

こうした薬物の例としては、消化管内で分解されやすいインスリン、エンケファリンなどの生理活性ペプチドや、肝臓で代謝されやすいプロプラノロール、サリチルアミドなどがあげられる。
このうち、特に前者の生理活性ペプチドは、消化管内で各種消化酵素やタンパク分解酵素により分解され、きわめて不安定なものが多い。

したがって、こうした生理活性ペプチドの消化管吸収を改善するためには、これらタンパク分解酵素の活性を抑制するタンパク分解酵素阻害剤の利用が有力な手段となる。

タンパク分解酵素阻害剤の例としては、アプロチニン、トリプシンインヒビター、バシトラシンなどがあるが、これらタンパク分解酵素阻害剤が整理活性ペプチドの安定性ならびに吸収性の改善に利用される

排出輸送系阻害剤

近年、消化管上皮細胞の刷子縁膜にはP-糖タンパク質などの排出型トランスポーターが発現しており、一旦細胞内に取り込まれたP-糖タンパク質の基質となる薬物を再びATP依存的に管腔側に排出することが知られている。

したがって、これら薬物は脂溶性から予測されるよりも低い吸収性を示す場合があり、P-糖タンパク質による薬物排出が、これら薬物の低い吸収性の要因となっていることがある。

こうした場合には、P-糖タンパク質による薬物排出を抑制する製剤添加物が吸収改善に有用であり、Cremophor EL、Tween 80, polyethylene glycol(PEG)などが利用されている

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