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特定組織での作用発現〜代表的なプロドラッグとそのメカニズムおよび有用性2

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特定組織での作用発現

薬物を標的組織に選択的に送達させるためにもいくつかのプロドラッグが設計されており、こうしたプロドラッグは、がん組織、脳などの体内の特定の臓器に薬物を標的化(ターゲティング)するために利用されている

一例として、パーキンソン病治療薬であるドパミンのプロドラッグであるレボドパは、経口投与後、消化管粘膜からアミノ酸輸送体を介して吸収され、体循環から脳毛細血管の内皮細胞にあるアミノ酸輸送体を介して血液-脳関門を通過し、脳内に取り込まれる。
その後、脳内で酵素によって脱炭酸されドパミンにもどる。
この場合、親薬物のドパミンは血液-脳関門を通過できないが、プロドラッグ化したレボドパは能動輸送により脳内に取り込まれるため、薬理効果の増強が期待できる。

また、ドキシフルリジンは腫瘍部位で特に活性が高い酵素であるピリミジンヌクレオチドホスホリラーゼに5-FUに変換され、腫瘍増殖抑制作用を示すことが知られている

その他に、潰瘍性大腸炎の治療薬であるサラゾスルファピリジンは小腸で吸収されず、大腸に到達して腸内細菌が持つ酵素によって親化合物の5-アミノサリチル酸に戻り作用を発現する。

副作用の軽減

アセメタシンやインドメタシンファルネシルは副作用の軽減自体を主目的としたインドメタシンのプロドラッグである。

インドメタシンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は、そのまま投与すると副作用として消化性潰瘍を引き起こすが、これらのプロドラッグは消化管では活性を発現せず、肝臓で代謝されて親化合物に戻るので副作用が軽減される

苦味の改善

クロラムフェニコールパルミチン酸エステルやキニーネエチル炭酸エステルは、親薬物の苦味をなくすことを目的として開発されたプロドラッグの例である。
すなわち、クロラムフェニコールやキニーネは苦味の強い薬物であるが、これらをパルミチン酸およびエチル炭酸エステルとすることで、水に不溶性にし、苦味をなくしたものである。

これらのプロドラッグはこのままでは活性を示さないが、消化管のエステラーゼにより加水分解され親薬物に戻って活性を示す。

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