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製薬会社を取り巻く環境と課題~医療用医薬品産業の特徴と課題

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新薬開発

医薬品は生命関連産業であり、高い倫理性・公共性と科学性が要求される。

新薬開発には探索研究から承認取得まで1製品あたり9~17年という長い歳月と、平均1,125億円という莫大なコストが必要とされるが、成功確率はわずか0.005%(1/21,677)である。
しかも臨床試験、承認審査、再審査には薬事法により様々な規制が課せられ、剤形、効能・効果、用法・用量の追加・変更にも厚生労働省の審査と承認が必要である。

しかし、ひとたび開発に成功すれば薬価(公定価格)が定められ、一定期間の独占的販売権が与えられる
しかし特許期間は特許申請から最大25年だが、製造承認日から特許期間が終了するまで実質特許有効期間は平均10年であるため、この期間に研究開発コストを回収し、収益の確保をめざすのである。
新薬の再審査期間(8~10年)が終了しかつ特許期間が切れると、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の製造・販売が可能となり、売上は低下する。

販売面では製品情報の提供、収集、伝達が重要なプロモーションとなるが、患者に対する製品広告の禁止をはじめとする各種規制があり、プロモーション方法は他産業とは異なる特徴をもつ。

製薬会社を取り巻く環境と課題

現在の日本の医薬品産業は順風満帆な状況ではなく、むしろ厳しい環境に置かれている。
研究開発から販売までグローバルな競争が激化しているが、大手製薬会社では主力品の特許が切れる問題と、米国の経済成長力低下などによる北米市場の冷え込みが気がかりであるが、新興国での需要増加を期待して海外進出は加速している。

研究開発においては、新薬承認数の減少、パイプラインの先細りは日本企業のみならずグローバル共通の問題であり、特に内資系新薬開発型製薬会社にとっては最も頭の痛い問題ある

一方、ドラッグ・ラグ問題を解決するために導入された新薬創出・適応外薬解消等促進加算への期待が高まる。

販売においての懸念材料

販売においての懸念材料は、長年の医療費抑制政策よる低価格品へのシフトやバイイングパワー増大による実勢価格の低下、セルフメディケーションの推進による医療用医薬品の市場伸長率の低下である。

内資系新薬開発型製薬会社にとっては、外資系製薬会社の新薬上市や後発医薬品市場参入による競争拡大も気がかりである。

医療機能の分化・連携医療の進展は医薬品の選択に大きな影響を与える
さらに情報通信技術の進展に伴うe-プロモーションの拡大などは従来の製薬会社のマーケティング・営業のあり方を変えつつある。

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