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アンメット・メディカル・ニーズ「顧客にとって重要かつ未充足の医療ニーズ」

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アンメット・メディカル・ニーズ

アンメット・メディカル・ニーズ(UnmetMedicalNeeds:UMNs)とは、「顧客にとって重要かつ未充足の医療ニーズ」である。
患者や医療関係者から望まれているにもかかわらず治療法や医薬品がないことを意味し、医薬品では顧客の期待する製品力と現状の標準薬の製品力との差と考えることができる。

アンメット・ニーズともいわれる。

UMNsの大きさ

ある疾病に対して治療薬がない状況(未治療期)では、たとえ製品力が弱くても有効性を示す医薬品の開発が期待される。

例えば、神経難病などに対する治療薬がそうである。
この場合、「UMNsは極めて大きい」となる。

治療薬剤が少なく製品力が弱い状況(治療薬出現期)では、さらに製品力の強い医薬品が期待される。
こうした場合は「UMNsは大~中」であり、がん、認知症に対する治療薬がこれに該当する。
確実性、即効性、持続性など効果の増強や、難治性の病態や症状に効果的な薬剤が求められるのである。

高い製品力を持つ治療薬剤が多数存在する治療薬飽和期では、「UMNsは低い」となる。
高血圧、胃潰瘍などの治療薬がこれに該当する。

即ち、「UMNsが高い」とは、治療薬がない、または既存の治療薬では十分な効果が得られない領域・疾患での状態であり、「UMNsが低い」とは、効果に概ね満足しているがさらに安全性が高い薬剤を求める場合や、効果・安全性とも概ね満足しているので利便性(服薬・与薬のしやすさなど)に優れた薬剤や経済性に優れた薬剤を求める場合をいう。

胃潰瘍と膵臓がん

胃潰瘍と膵臓がんを例に考えてみよう。

胃潰瘍は標準薬による治療で有効性・安全性に対する顧客ニーズはほぼ満たされている。
従って、今後は服薬のしやすさ、経済面で優れる薬剤、ニッチセグメントに対して効果的な薬剤の開発が期待されている。

しかし膵臓がんでは、標準薬による治療では顧客ニーズが満たされていないため、まず有効性に優れる薬剤が求められる。
それがある程度満足された後に安全性の高い薬剤が求められるようになる。

医薬品の開発では、このように顧客のUMNsを考慮する必要がある

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