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製造所における医薬品製造の流れ – 医薬品製造の実際2

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製造所における医薬品製造の流れ:製造管理と品質管理

GMPに準拠して、標準的な管理体制を作っておく
製造所で医薬品の製造を行う際の計画・製造・品質・出荷管理および、代表的な剤型である錠剤および水性注射剤の製造工程について説明する。

1つの製品を製造するには、製造日程計画からはじまり、原料・資材の購買管理から、使用する設備・機器の確保と製造管理、品質管理、製品の出荷判定に至るまで、相互に関係する部門と連携・協調する標準的な仕組みを作っておくことが必要である。
この仕組みに従って生産を進めることにより、目的とする品質の製品と必要な量を確保し、製造販売業者の求めに応じてタイムリーに出荷できる体制が整うことになる。
 

変動要因を品質に影響させないために

医薬品の品質に影響を及ぼす要因(変動要因)として、例えば、原料・資材の品質、設備機器のメンテナンスの状況、製造方法・操作条件、作業員の熟練度、製造用水の品質や作業所に取り入れる空気の清浄度、設備機器の洗浄や作業所の清掃・消毒等の方法、等があげられる。

目的とする品質の医薬品を恒常的に製造するためには、これらの変動要因は常に許容範囲内に維持しなければならない。その範囲は、通例、基準書や作業手順書(SOP)の中で示されており、許容範囲内にあれば、製品品質に大きな影響を及ぼさないことを示す科学的な根拠をもとに設定することが大切である。
 

逸脱管理・変更管理

GMPでは、日常の作業において、何らかの理由で定められた手順から外れた作業をしてしまったり、基準や管理値から外れた数値が得られる場合等の、予期せぬ事態が発生することがある。GMPでは、これらの事態を想定した対処方法についても規定されている。これら手順や基準、管理値などからの乖離を「逸脱」と呼んでいる。
逸脱の内容や程度によっては、製品の品質に致命的な影響を及ぼし、製造工程の中断、出荷の停止を余儀なくされる場合があり、発生した逸脱に関しては、「逸脱の管理に関する手順」に従って迅速的確に処理する必要がある。

同じような逸脱が繰り返されるなら、真の原因を究明し作業方法や管理基準等の変更が必要な場合も起こりうる。このような場合、「製造品質や、設計された品質を常に維持しなければならない」という原点に立ち返り、「変更の管理に関する手順」に従って変更の手続きを行わなければならない。
このことからも、「不良品を製造しない、出荷しない」というGMPの基本思想が読み取れる。
 

バリデーションとは

和訳もないが製造管理・品質管理にはとても重要な考え方
GMPでは、「バリデーションとは製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理および品質管理の方法が期待される結果を与えることを検証し、これを文書とすること」と定義されており、非常に専門的な文章になっている。

強いて簡単に言えば、目的とする品質の製品を継続して製造するために、なぜこういう方法採用したのか、なぜこのような設備がよいのか、なぜこの温度で反応するのか、機器や作業所の洗浄や消毒の方法はこれでよいのか、製品は全体が均質になっているのか、などの疑問について答えられる科学的な根拠を責任者のもとで計画的にあらかじめ文書化しておくことといえるだろう。

バリデーションの概念は、GMPの基本をなすものであり、また適合性調査の段階でも重要な審査項目と思われる。

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