HOME > すべての記事 > 医療体制の現状と今後 > 医療用医薬品ビジネスの概略・医療用医薬品における製品の概念

医療用医薬品ビジネスの概略・医療用医薬品における製品の概念

400view

医療用医薬品は、製薬会社から医薬品卸会社(以下、卸)に販売され、卸から病医院または薬局に販売される。
そして、医師により処方箋が発行され、院内の薬局もしくは院外の調剤薬局の薬剤師が調剤し、患者に与薬される。

製薬会社による医療用医薬品ビジネスは、主として病医院、薬局、卸を対象として行われ、患者に対する直接的なプロモーション活動は限定的である。
その理由は、製薬会社が患者に製品情報を提供することが禁止されているからである。

医療用医薬品における製品の概念

医療用医薬品は「医師若しくは歯科医師によって使用され、またはこれらの者を処方箋若しくは指示によって使用されることを目的として供給される医薬品」と定義されている。
マーケティングにおける競争優位性、特に製品における差別的優位性を理解するためには、マーケティング界の第一人者であるフィリップ・コトラーが提唱した「製品の概念(三段階)」を用いて考えるとよい。

医療用医薬品の中核的製品とは、治療体系における製品の位置づけ・役割など、製品が顧客に与える便益(ベネフィット)を表す。

実際的製品とは、承認を受け添付文書に記載されたもの(製品名、製剤、効能・効果、用法・用量、使用上の注意、包装など)と薬価が該当すると考えるとよい。
拡大的製品とは、添付文書掲載以外の付加的情報および製品・製品関連情報の提供・伝達機能、販売価格(製薬会社から卸への販売価格=仕切価格、卸から医療施設への販売価格=納入価格)などが該当する。

製品の差別化

製品の差別化においては、中核的製品で競合他社品より優れていることが最も重要なポイントである。
しかし中核的製品に差がない場合は、実際的製品で優位性が示されることが必要である。

中核的製品と実際的製品を合わせた、いわゆる狭義の製品に差がない場合は、拡大的製品による差別化を図り顧客満足度を高めなければならない。

医療用医薬品マーケティングで最も重要なこと

医療用医薬品マーケティングで最も重要なことは、製品プロファイルにおける差別的優位性である。
従って、研究開発の初期段階から顧客ニーズと競合品との差別化を考え、製品コンセプト、製品プロファイルを検討しなければならない。

実際的製品のほとんどは厚生労働省の審査・承認事項であり、任意に変更することはできない
そのため差別化を考慮した開発計画を立て、臨床開発試験を実施する必要がある。

拡大的製品の差別化は発売後における良質な製品・製品関連情報の取得とこれら情報の提供力の優劣である。

>> 「現役薬剤師の転職体験談」に進む

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

掲載中の案件一覧

「医療体制の現状と今後」カテゴリの関連記事