HOME > すべての記事 > 医薬分業ネクストステージ > 全ての薬を揃えるには – 医薬分業ネクストステージ1

全ての薬を揃えるには – 医薬分業ネクストステージ1

412view

門前薬局形式の医薬分業が広まってしまった日本ですが、どうしてでしょうか。
利益に走った一部の薬局が医薬分業の意味を理解していなかったからでしょうか。
実はそうしたことよりも大きな原因があると思います。

それは処方箋のルールによるところが大きいのです。
現在日本で院外処方箋に記載されうる医薬品数は薬価収載ベースで約1万3000種類あります。薬の名前は、成分の名前である一般名とブランド名である販売名の2種類があります。

アセチルサリチル酸といえば成分の名前なので一般名ですが、これをバファリンというと販売名になります。一般名でアセトアミノフェンという解熱剤がありますが、これを販売名で言うとカロナールになります。
 

 
 

代替調剤

販売
一つの商品にいくつも販売名があるように、同じ成分の薬にもいくつも販売名があることもあります。現在の日本では、処方箋に薬の名前を書くとき、この販売名で記載することが主流となっています。

これに対しイギリスでは一般名で書くことが主流です。販売名で記載すれば、薬局ではその販売名の薬を揃えることが必要になり、たとえ他の販売名の同一成分分量の薬があったとしてもそれを調剤して患者さんに渡すことができません。

これに対してイギリスのように一般名で記載すればどの販売名の薬を出してもよいという一般名処方の制度の国もあります。

またアメリカやドイツのように、一般名でなくても有効成分が同一成分分量の他の販売名の医薬品を調剤してもよいという、いわゆる代替調剤という制度を採用している国もあります。

販売名記載の制度下で、日本全国どこの薬局でいつでも処方箋を受け付けて調剤しようとするどうなるでしょう。
 
 

全ての薬を揃えるには

医療廃棄物
薬局で全国どこの処方箋にも対応しようとすれば、院外処対象の薬価収載されている販売目は1万3000種類ありますので、それだけの薬を揃える必要があります。
薬の一般的な最小包装である100錠入1箱がだいたい5000円くらいしますから、これを1万3000種類揃えるには、およそ6500万の資金が必要です。

しかもそれだけ揃えても、実際に使われる薬は大学病院のように大きな施設でも2000種類以下です。したがって、1年間に実際に処方箋が持ち込まれるのはそのうちの2000種類以下くらいになります。

薬には使用期限がありますから、薬価収載の薬をたとえ全部揃えたとしても、そのうち1万種類以上は使用期限が来れば廃棄しなくてはなりません。

薬の有効期限は3年のものが多いので、例えば2000種類を差し引いた1万1000種類の薬、つまり5000万円以上の薬を1軒の薬局で3年ごとに廃棄していかなくてはならないことになります。

現在調剤を行っている薬局はおよそ5万軒ありますので、ざっと全国で2兆5000億円以上の医療廃棄物が3年で出る計算になります。

>> 「現役薬剤師の転職体験談」に進む

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

掲載中の案件一覧

「医薬分業ネクストステージ」カテゴリの関連記事