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アドヒアランス向上に貢献〜従来の医薬品製剤の有効性、安全性、信頼性における主な問題点2

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従来の統合失調症の治療

錠剤および散剤など経口による投与でコンプライアンスの悪い患者や薬物治療の継続が難しい患者には、従来からデポ製剤と呼ばれる持続性の注射剤が統合失調症の治療で用いられてきた。
デポ製剤は1回の注射によって2〜4週間、効果が持続するもので、わが国ではこれまで、ハロペリドールデカン酸エステル注射液(ハロマンス注50 mg, 100 mg)等に代表される定型抗精神病薬の注射剤のみであった。

リスペリドン持効性懸濁注射剤

2009年、新規に非定型抗精神病薬であるリスペリドンの持効性懸濁注射液(リスパダールコンスタ筋注用25 mg, 37.5 mg, 50mg)が発売された。
これまでのデポ製剤は有効薬剤がプロドラッグとして含まれており、これが筋肉内の代謝酵素によって目標とする薬剤に分解し、吸収されていたが、溶剤がゴマ油などのオイルベースであり、長期的な使用でこの油が筋肉内で硬結を作るなどの注射部位反応を引き起こす問題があった

リスペリドン持効性懸濁注射剤は、リスペリドンを生体内分解性ポリマーを用いてマイクロスフェアー化した製剤で、専用懸濁用液にて用時懸濁し、臀部の筋肉内に投与することで、生理的条件(pHおよび温度)下において、マイクロスフェアーからリスペリドンが緩徐に放出されるよう設計されている。
本剤は、投与約3週間後にポリマーが崩壊し始め、薬剤が循環血液に放出されるため、初回投与から3週間は経口抗精神病薬を併用する必要がある。
薬剤の放出が始まると4〜6週間でCmaxに達し、約8週間放出が続き、2週間ごとに反復投与により投与後6週(投与4回目)までに定常状態に達することが示されている。
吸収のしかたが違うだけでなく、効果の面でもメリットがあるようであるが、従来の製剤が1ヶ月に1回投与だったものが、本剤は2週間に1回投与する必要があるなど、まだ問題点は含まれているようである

アドヒアランス向上

持続性注射剤の最大のメリットは薬剤送達の確実性であることから、DDSである新規持効性懸濁注射剤の登場は、統合失調症患者の治療継続において、毎日薬を服用する苦痛からの開放につながり、社会復帰および地域社会での治療継続に向けた有意義かつ新たな選択肢となることで、アドヒアランス向上に貢献することができる。

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