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医薬品と製剤設計〜従来の医薬品製剤の有効性、安全性、信頼性における主な問題点1

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医薬品と製剤設計

一般に、体内に入った薬物は、その作用部位に届かなければ、その効果は発揮されない
作用部位に届かなかった場合には、治療効果が望めないばかりでなく、しばしば正常部位に対して毒性を示し、副作用の原因ともなる。
そこで、治療薬をその作用部位へ効率よく運び、その治療効果を最大限に高める工夫が必要となり、治療薬の体内動態を制御する目的で、数々の製剤設計が行われることになる。

ニトログリセリンを例にあげれば、点滴静注、錠剤、舌下錠、バッカル錠、軟膏剤、経皮吸収型製剤(Transdermal Therapeutic System:TTS)、スプレー剤などの多くの剤形が使用されている。
これらの剤形のなかでも、経皮吸収型製剤は、薬物送達システム(Drug Delivery System:DDS)研究の分野での先進的役割を果たしてきたといえる。
また、口腔粘膜投与では、舌下錠やホルモン剤等のバッカル錠投与が古くから行われていたが、ほかの多くの薬物にも適用されるようになり、禁煙補助を目的としたニコチンガムも安全性が高まり、一般用医薬品(Over The Counter Drug, OTC薬)として汎用されるようになった。

その他の投与経路として、経皮投与や、鼻腔、肺胞、目、直腸および膣などの経粘膜投与が利用されている。
例えば、インスリンの吸入剤の開発が行われ、すでにアメリカで上市されている。
これまで、インスリンは注射剤製剤のみに限られていたが、消化管投与によって失活されることが知られており、有効な投与剤形の検討が行われてきた。
ユニークで安全な吸収促進剤の組み合わせにより、インスリン吸入剤はバイオアベイラビリティが10%程度であるものの、食直前に口腔内へスプレーすることにより、注射に匹敵する速やかな効果が認められている
DDSの利用により、患者の侵襲的な負担を軽減できる製剤として大変興味深いものがある。

従来型医薬品製剤の問題点

最近の医薬品開発では、薬物のより高い有効性、安全性および信頼性を期待した投与の最適化が行われ、薬物を必要な場所に、必要な量を、必要な時間に送達させ、加えて患者の経済的、肉体的負担を軽減し、さらに治療効果を上げて患者のQOL(Quality of Life)向上を図るため、DDSは極めて重要なテーマとなっている

従来型医薬品製剤の持つ問題点等を統合失調症の薬剤を例にあげてみる。
統合失調症は長期にわたる薬物治療が必要な慢性の精神疾患であり、その治療においては急性期における治療だけでなく、維持期における精神症状の再発、再燃防止と患者のQOL向上が重要な目標と位置づけられている
しかし、患者の病識の欠如、錐体外路症状などの耐えがたい投与薬剤の副作用および治療継続のための家族支援が得られにくい等の患者背景によって、統合失調症の薬物治療の継続が困難な状況が多く見受けられる。

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