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製品プロファイルにおける差別的優位性~医療用医薬品のマーケティング戦略体系(戦略策定)

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製品プロファイルにおける差別的優位性

差別化において重要なことは、差別化そのものではなく、その差別化が顧客ニーズに合致しベネフィットを与えること、即ち差別的優位性を示すかどうかである。

顧客ニーズを満たしても差別化ができない場合は、研究を通して差別化の立証を行うか製品特性以外の差別化を検討しなければならない。
逆に差別化が可能であっても特性に対する顧客ニーズがない(少ない)場合は、潜在ニーズの掘り起こしによるニーズの顕在化、即ちアンメット・メディカル・ニーズ(UMNs)が創造できる可能性の有無を検討する必要がある。

製品特性が顧客ニーズに合致せず、かつ差別化ができない場合には顧客から受容されるケースは稀である
顧客との関係性構築など、製品特性以外における差別化を検討して競争優位性を発揮しなければならない。

自社による競争優位性が見いだせない場合には、顧客との関係性に優れる他社と販売提携を行うなり、他社へ導出することを考慮する。

競争戦略

競争戦略の権威者であるマイケル・ポーターは、競争優位性を確保する基本戦略を、低コストで優位に立つ「コストリーダーシップ戦略」と、製品やサービスの特異性で優位に立つ「差別化戦略」に分類した。

そして、それらの戦略を特定市場に集中する場合を「集中戦略」としている。

医療用医薬品マーケティングにおいては差別化戦略が選択・実行されるケースが多い

コストリーダーシップ戦略

コストリーダーシップ戦略は、価格に敏感な顧客に対する有効な戦略となり得るが、こうした顧客はさらなる低価格品に関心をもつものである。
従って、本戦略を選択するには研究開発、生産(仕入)、流通、販売などに要するコストが競合他社より低減されていることが必要条件となる。

医療用医薬頻におけるコストリーダーシップ戦略には、製品の薬価自体が同種同効品より低価格であることを武器にする場合と、薬価と納入価格(卸から医療施設への販売価格)の差異、即ち薬価差益を武器にする場合がある。

前者は後発医薬品や同種同効薬内で相対的に低薬価である製品が該当し、医療施設、患者により薬剤コスト負担の減少がメリットとなる。
特にDPC対象施設ではその恩恵が大きい。

後者は差別的優位性がない製品の場合において、卸が納入価格を低くするものである。
背景には医療機関から卸への値引き要請、卸間の競争激化などがある。

この戦略を選択する、あるいはせざるを得ない場合であっても、製薬会社から卸への販売価格である仕切価格が低く設定されていなければ卸は利益を得ることはできず、むしろ損失を被ることとなる。
製薬会社にとっても市場実勢価格が低下すると、薬価低下を惹起し製品寿命を短縮する危険があるので一般的には推奨されない。

顧客の薬剤コスト負担減少をベネフィットとするコストリーダーシップ戦略を採用する場合には、安全性の確保や製剤技術(OD錠など)の優位性といった差別化戦略を組み合わせると、より効果的な戦略となり得る

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