HOME > すべての記事 > 組換え体医薬品の特色と有用性 > 血液凝固因子・サイトカイン・ワクチン~代表的な組換え体医薬品2

血液凝固因子・サイトカイン・ワクチン~代表的な組換え体医薬品2

756view

血液凝固因子

血液凝固因子類として第Ⅶ因子や第Ⅷ因子や血友病の治療薬として使用されている。
ヒト血漿から精製した血液凝固因子に混入していたC型肝炎ウイルスによる肝炎発症の問題の克服につながった。

サイトカイン

kagaku7

エリスロポエチン、顆粒球コロニー刺激因子、インターロイキン2、インターフェロン類が代表的なものである。
エリスロポエチンは、腎臓尿細管細胞から産生される糖タンパク質(165個のアミノ酸、分子量約34,000)で、骨髄の多能性幹細胞に作用して赤血球への分化を促進することによって赤血球の産生をコントロールする造血ホルモンである。
透析患者での腎性貧血などの治療に用いられる。赤血球を増加させ、酸素供給を増加させるために長距離走などに悪用されることがあり、ドーピング検査項目の一つになっている。

顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)は、骨髄の多能性幹細胞に作用して好中球への分化を促進する糖タンパク質(177個のアミノ酸、分子量約20,000)であるが、エリスロポエチンとは違って、糖鎖の有無は活性に影響は与えない。
がん化学療法時好中球減少症の治療や造血幹細胞の末梢への導引などに用いられる。

インターロイキン2は血管肉腫や腎臓がんの治療に用いられるが、免疫抑制剤であるタクロリムスやシクロスポリンはT細胞でのインターロイキン2の産生を抑制する。
インターフェロンは、ウイルスや細胞の増殖抑制作用を持つサイトカインであり、C型肝炎、多発性骨髄腫や腎臓がんなどの治療に使用される。

ワクチン

B型肝炎ワクチンなどが代表的なものである。
B型肝炎ウイルスは感染する種特異性が高く、ヒト、チンバンジーなどにしか感染しない。
また、培養細胞にも感染しないことから、ウイルス粒子から不活化ワクチンを製造することや継代によって弱毒性ワクチンを製造することは不可能であった。

しかし、B型肝炎ウイルス粒子の最外層に存在するHBs糖タンパク質(抗原)の抗原性は高く、またウイルスの不活化に有効であった。
そこでHBs遺伝子をもとに、培養細胞中でつくられたHBsを主成分とするコンポーネント(成分)ワクチンがB型肝炎予防ワクチンとして使用されている。

抗体医薬(ヒト型モノクローナル抗体)

抗体医薬は抗体が抗原と認識する特異性を利用して治療に用いる医薬品である。
1980年代に研究開発ブームになったが、抗原性の問題等により、ほとんどが失敗に終わった。
その後の組換えDNA技術をベースにした抗体工学等の技術開発により、ヒト型モノクローナル抗体の作製によって抗体分子自身の抗原性の問題は解消され、有用な医薬にまで発展させることが可能になった。

抗体は生体内でさまざまな作用を示すが、主な作用は、1.(結合阻害)受容体とリガンドとの結合阻害2.Fc領域を認識する受容体を持ち、抗体が結合した細胞や病原体を殺傷するナチュラルキラー(NK)細胞や単球による抗体依存性細胞障害作用(ADCC)と補体分子による同様な補体依存性細胞障害作用(CDCC)である。

すでに治療に使用されている抗がん抗体医薬のいくつかは、ADCCとCDCCが主要な薬効メカニズムである。
さらに、抗体に抗がん剤や放射性核種を結合させ、標的細胞にターゲティングして、抗がん剤や放射線の作用により標的細胞を殺傷するものもある。

抗体医薬の特徴は、1.特異性が高いこと、2.生体内安定性が高いこと、3.毒性が低いこと、4.最適な抗体を得ることが比較的容易であること、5.生産や精製法の共通性が高いことである。
抗体医薬もタンパク質であるため通常は注射や点滴により投与される。

>> 「現役薬剤師の転職体験談」に進む

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

掲載中の案件一覧

「組換え体医薬品の特色と有用性」カテゴリの関連記事