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酵素類・ホルモン~代表的な組換え体医薬品1

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現在、日本で用いられる組換え体医薬品は酵素、ホルモン、血液凝固因子、サイトカイン、ワクチン、モノクローナル抗体に分けられる。

酵素、ホルモン、サイトカインのようにヒト生体由来のタンパク質であっても、そのままで医薬品とすることなく、作用の特異性や持続性の改善のために、アミノ酸残基の置換など、一次構造を変化させた改変体が組換え体医薬品として用いられている場合もある。

組換え体医薬品は、厚生労働大臣が指定する生物由来製品及び特定生物由来製品中に含まれている。

酵素類

組織プラスミノーゲンアクチベーター(t-PA)やグリコセレプロシダーゼがある。
t-PAは急性心筋梗塞時に冠動脈血栓の溶解に用いられるが、血中半減期を延長させた改変型や遺伝子組換えにより一部のドメインを欠失させ、さらに一部のアミノ酸を置換したものも実用化されている。
グリコセレプロシダーゼはゴーシェ病の治療薬として用いられている。

ホルモン

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インスリン、ヒト成長ホルモン、グルカゴン、ソマトメジンC、ナトリウム利尿ペプチドなどがある。
インスリンは最初に開発された組換え医薬品であり、糖尿病の治療に用いられる。

ブタの膵臓から抽出されたインスリンが治療薬として使用されたこともあるが、アミノ酸配列の違いによってアレルギーの問題があった。
これを克服するために、組換えDNA技術が応用され、大腸菌で生産されるようになった。

1990年代までは遺伝子組換えによる製造研究が盛んに行われ、酵母や培養細胞での製造に成功し、現在に至っている。1990代半ば頃から製剤化研究が盛んになり、現在では剤形の違いによって作用時間の異なる製剤が臨床使用されている。

成長ホルモンはインスリンと異なり、動物種での特異性が高く、ヒト成長ホルモンが治療薬として求められてきた。
組換えDNA技術がない時代には死体の脳下垂体から抽出されたが、それにプリオンが混入していたことから1984年に米国でCJD発症事件が起こった。

そこで、死体の脳下垂体からmRNAが抽出され、それをもとにcDNAが合成され、組換え体医薬品として製造され、下垂体性小人症やターナー症候群などの低身長の治療に用いられている。

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