HOME > すべての記事 > 国際共同治験 > 国際共同治験における日本人症例数と参加時期~国際共同治験6

国際共同治験における日本人症例数と参加時期~国際共同治験6

1340view

国際共同治験には多くの国や地域が参加するが、同一プロトコルで実施され、その結果は、1つの集団での結果として評価することが基本である。上記で述べたような民族的要因が国や地域間で大きく異なっていると、得られた結果を1つの集団での結果として評価することができなくなり、国際共同治験の結果から何らかの結論を導くことが不適切ということになる。
したがって、国際共同治験を計画する際には、その医薬品の効果に影響を及ぼす可能性のある因子として何があるのかを把握し、その要因が国際共同治験に参加する国・医療機関でどの程度異なっているのかを計画段階であらかじめ把握し、異なっている場合には評価に与える影響などを検討した上で適切な試験計画(プロトコル)を作成することが重要である。

国際共同治験における日本人症例数と参加時期

適切な評価を行うためには、可能な限り開発早期の段階から参加し、十分な日本人症例数を組み入れておくことが重要である。国際共同治験に日本が実際に参加することとなった場合に、検討事項としてよく取り上げられる課題である。

日本単独で実施する治験であれば、当然ながら組み入れられる患者は100%日本人ということになる(100人の患者が参加する治験であれば、100人全員が日本人ということである)。しかし国際共同治験の場合には、数カ国、時には数十カ国という国が参加して治験を実施することとなり、必然的に日本単独で実施する場合の治験と比べて、治験に組み入れられる日本人症例の割合が減少することとなる(100人の患者が参加する治験であっても、そのなかの日本人患者は100人ではなく減少し、ケースによって異なるが10人あるいは20人程度となる場合が多い)。
したがって、適切な評価を行う上ではどの程度の日本人症例数を組み入れることが必要かという点が検討のポイントとなる。できるだけ多くの日本人患者を組み入れた方が適切に評価できることは容易に理解できると思われるが、多数の国が参加するなかでは限界があり、治験を実施する企業にとっては、最低限必要な症例数とは何かということが知りたいポイントになる。

そこで、「基本的考え方」のなかでは、2つの統計的手法を紹介している。

「基本的考え方」による2つの統計的手法

3754f19b8
ここでの基本的な考え方は、治験に参加した日本人患者での結果が、全集団の結果と一貫性のある結果であったか否かということをできるだけ科学的なアプローチで評価しようということである。

例えば、有効性に関して全集団で改善効果が認められていれば、日本人集団でもそれと同程度の改善効果が認められているか(少なくとも悪化はしていないか)といったことを、ある程度の確率で確認できるように日本人症例数を決定するという方法で、全集団で得られた結果から日本人での有効性が評価可能であることを導き出そうという考え方である。
つまり、もし仮に一貫した結果が得られなかった場合に、それは症例数が少ないことによる偶然の結果であるのか、民族的な差異により生じている結果であるのかを区別しようということである。

また、日本人を組み入れる治験は、第Ⅲ相の検証試験だけでなく、第Ⅱ相試験などの医薬品開発早期の探索的な試験から継続して組み入れることが重要である。
これは探索的な段階で日本人患者におけるデータを収集することで、検証試験をより適切に計画できるようになるということと、日本人患者での結果の再現性を得るなどのどの点で必要な事項である。「基本的な考え方」ではこれら以外の点についても述べられているので、詳細は原文を参照していただきたい。

>> 「現役薬剤師の転職体験談」に進む

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

掲載中の案件一覧

「国際共同治験」カテゴリの関連記事