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ICHで採択されたガイドライン~国際共同治験2

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日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)

各地域の医薬品の承認審査に関する基準の合理化・標準化を行うため、1990年4月、その当時の主な医薬品開発国であった日本・米国・EU(当時はEC)の各医薬品規制当局と業界団体の6者による日米EU医薬品規制調和国際会議(ICH)が開催されることとなった。

ICHは2010年に発足20周年を迎え、現在も活動が継続されており、これまでに50を超える国際ガイドラインを公表している。
ICHで採択されたガイドラインは、日米EUの各規制当局が必ず施行し運用することになっている(日本では通知として公表される)。ICHガイドラインは日米EUの審査当局や製薬企業にとって大変影響力のある重要なガイドラインとなっている。

ICHの活動により、当初の目的であった医薬品規制の国際的整合化は着実に進んでいる。
例えば、治験を実施する際の基準であるGCP(Good Clinical Practice)もICHガイドラインの1つである。また医薬品の承認申請資料に関するフォーマットはCTD(Common Technical Document)と呼ばれており、これもICHで合意されたガイドラインである。

世界各国に広く認知されるICHガイドライン

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このように国際的整合化が進むにつれ、ICHガイドラインは、今では国際ガイドラインとして広く認知されるに至っている。実際に近年では、当初のICHのメンバー以外の国(韓国、中国、シンガポール、オーストラリアなど)でもICHガイドラインが施行されるようになってきている。
特にGCPについては、多くの国でICHガイドラインが採用されている。このことが国際共同治験の増加に深く関わっている。なぜならICH GCPガイドラインは、日米EUで作成した治験のためのガイドラインであるが、そもそもは同様の目的で実施する試験の重複の回避を目的としているからである。
また、ICHではE5ガイドライン「外国臨床データを受け入れる際に考慮すべき民族的要因について」も作成されており、一定の要件を満たせば外国の臨床試験データを承認申請において利用することが可能となっている。つまり、ICHガイドラインに準拠して治験を実施すれば、そのデータは日米EUの承認申請に利用可能となることを意味する。

また、最近では医薬品開発効率の低下が問題視されており、医薬品開発費も高騰している。今では、1つの医薬品を開発するのに数百億から一千億円程度の費用が必要になるともいわれており、最も費用がかかるのが治験である。開発効率化のためには、治験の質を落とすことなく、治験期間の短縮化と治験費用の抑制を図ることが必要となる。
そこで企業は、これらの目的を達成するために、日米EUなどの先進国だけではなく、それ以外の国や地域も選択肢に含め治験を実施するようになったということである。もちろんどこでもよいというわけではなく、ICHガイドラインという国際基準が明確になったことで、ICH GCPをはじめとするICHガイドラインの基準を満たした治験が実施可能な国や地域で治験が実施されるようになった。
その結果、治験の実施場所がICH地域だけでなく、ICH地域以外へも拡大することとなったのである。

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