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国際共同治験が増加した背景~国際共同治験1

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国際共同治験

国際共同治験と聞いて、どのようなイメージをもつだろうか。

「いろんな国が参加する治験」ということであるが、2007年9月に厚生労働省から発出された通知(国際共同治験に関する基本的考え方について)には、「新規の医薬品の世界的規模での開発および承認を目指して企画される治験であって、1つの治験に複数の国や地域の医療機関が参加し、共通の実施計画書に基づき、同時並行的に進行するものを言う」と記載されている。

ここでのポイントとして以下の点がある。
・1つの治験に複数の国や地域の医療機関が参加する
・共通の治験実施計画書に基づき実施される
・同時並行的に進行する

日本で増加する国際共同治験

最近では、国際共同治験の実施が日本で増加している。

日本で治験を実施する場合には、厚生労働省に治験届を提出することになっている。
日本では一時期、治験届出数の減少が認められたが、近年ではその数が回復しつつあり、2011年度には689試験が実施されている。

また特徴として、全体の数の増加だけでなく、国際共同治験としての届出数が2007年度から増加傾向にあり、2012年10月現在では全体の約23%が国際共同治験として実施されている。

国際共同治験が増加した背景

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では、なぜ国際共同治験が増加してきたのだろうか。これを理解するためには、医薬品規制や開発の歴史を学ぶ必要があるが、概略は以下のようなものである。

医薬品は、それぞれの国で独自の法体系に基づき規制されている。1960年代のサリドマイド事件などをきっかけに、それぞれの国は医薬品の法規制を抜本的に改めることとなり、承認申請に必要な基準の設定や安全性対策の強化などを実施してきた。
しかし、それぞれの国の法体系に基づき整備が進められたため、提出すべき資料の内容や方法などに国ごとの差異が生じることとなったのである。

一方で、製薬企業は、それぞれの国で医薬品の承認を取得するために、各国の規制要件を満たしながら開発を進める必要があり、1960年代以降の新たな基準などについても、国ごとで独立した対応が求められた。
各国でも基準は必ずしも同様ではなかったため、それぞれの国で独立した治験を実施することが必要な場合も数多くあった(この当時、日本においては日本単独での治験が実施されることが一般的であった)。

こういった状況のなかで、医薬品開発費の高騰と製薬企業の国際化、海外からの市場開放に対する要請、日本の薬効評価の国際化への期待などを背景として、新医薬品の開発を継続する上で各国での規制要件を満たすために、同様の目的の試験を国ごとに独立して実施するという開発戦略を続けることが困難となってきたのである。
このような状況が長引けば、安全で有効な新医薬品をより早く患者に提供することが困難となる可能性がある。

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