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創薬時の製品コンセプト~研究テーマ、開発プロジェクトを評価する基準

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糖尿病を研究指向疾患に定めているケースを想定して、製品コンセプト(製品企画の指標化)について検討してみよう。

糖尿病におけるアンメット・メディカル・ニーズ(UMNs)の一つとして、合併症の改善と進行防止が挙げられる。
「糖尿病高血糖に伴う蛋白質糖化の抑制」に関する技術を保有する自社は、合併症の中でも神経障害をターゲットとした創薬をめざすこととした。

目標・製品コンセプト・開発の指標

患者ベネフィットは「しびれなどの神経症状の改善」で、「糖尿病性壊疽への進行予防が期待できる薬剤」が目標である。
製品コンセプトは、「神経機能維持・修復薬をFirstinclass型薬剤として提供する」とした。
開発の指標は「神経症状改善」「神経機能改善」、期待する製品特性は「経口剤で1日1回あるいは週1回投与など、服薬しやすい薬剤」である。

こうした製品コンセプトがおおよそ決まった段階で、同様のコンセプトを持つ他社研究開発候補品の有無、もしそうしたものが存在する場合は上市予定時期を含めた差別的優位性を検討しなければならない

また、対象疾患の市場規模を算定して、事業採算性に問題がないことを確認しておくことも重要である。

研究テーマ、開発プロジェクトを評価する基準

研究テーマ、開発プロジェクトを前進させるべきかでは、社内の意思決定(Go/NoGo)が必要となる。

安全性に問題がある場合は概ねNogoで意見が一致するが、そのほかのケースでは往々にして意見が分かれるため、評価基準が必要になる。
だからといって評価基準だけですべてを決定するものでもないが、基準を作っておくとGo/Nogoの判断のみならず優先順位づけを行ううえで有用である

早期では製品コンセプトにおけるアンメット・メディカル・ニーズ(UMNs)の充足度と、開発番手(開発候補化合物の取得の難易度を加味した参入予定順位)で評価する。
もし戦略適合性、即ち研究志向領域・疾患に該当しないプロジェクトであれば、開発を自社で行う他社との提携(導出)で行うかを検討しなければならない。

後期には大規模な投資が必要になるため、製品プロファイルと事業採算性(売上高、投資コストなど)を基準に算定するとよい。
ここでいう後期とは、有効性、安全性が確認され、製品コンセプトの妥当性が検証されたPOC(ProofofConcept)以降の時期をいう。

事業採算性と評価

事業採算性には製品プロファイルの評価も包含されているため事業採算性のみで評価する方法も考えられるが、事業採算性の主要要素である売上予測は不確実生が高く、また製品の差別的優位性を評価することの重要性を考慮して、製品プロファイル、事業採算性のマトリックスで評価する案を提示した。

事業採算性評価は、プロジェクトの有する課題を経営者とプロジェクトメンバーで共有するためにも有用である。
評価にあたっては数値のみで一喜一憂することを避け、十分に議論し結論を導かなければならない

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