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研究指向領域・疾患の策定~Firstinclass型薬剤とBestinclass型薬剤

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研究指向領域や疾患の決定に際しては、ニーズとシーズのバランスが検討される。
即ち、アンメット・メディカル・ニーズ(UMNs)と、研究開発における強みとのバランスであり、「ニーズ重視型」と「シーズ重視型」に分類できる。

このほか市場の魅力度や自社事業領域(営業フランチャイズ)との関連性をさらに考慮して最終決定を下す。
ここでいう市場の魅力度とは、市場規模(患者数)とその成長性および市場における競争状態である。

ニーズ重視型とシーズ重視型

近年、各製薬会社ともUMNs重視の姿勢を打ち出しており、マーケティングの視点からみれば「ニーズ重視」は評価できる。
しかし問題は自社の技術力でUMNsを充足できる医薬品を開発できるかどうかである。

新薬開発の成功確率が極めて低いことを考えれば、研究開発において競争の優位性が見出せる分野を選択し、そこに資源を集中して研究開発を行ったほうがよい。
顧客にベネフィットを与えられ、競合品との差別化が可能な製品が創出できれば「シーズ重視」であってもよいのである。

問題は新薬を創出できる優位性をもつ技術を保有しているかどうかである
保有していない場合には短期的な解決であるが、大学やベンチャー企業との提携で社外技術を組み合わせた創薬開発や、開発初期段階にある化合物の導入を検討したパイプラインの充実を図らなければならない。

中期的な解決のためには自社の強みは何か、それをさらに強化するための方策(研究者の育成・獲得、標的領域・疾患の選択と集中した研究開発費の投下、自社でやるべきこと・外部との共同研究でやるべきことの明確化など)を早急に検討し、実行しなければならない。

Firstinclass型薬剤

新薬は、新規性・有用性が高く、化学構造も既存薬と基本骨格から異なり、従来の治療体系を大幅に変えるような「画期的医薬品」(Firstinclass型薬剤)と、既存薬と薬効、効能・効果、基本骨格は類似しているが化学構造は既存薬と異なる「改良型医薬品」に分類できる。

画期的医薬品は、同じ薬効を持つ対象医薬品の1.7~2.2倍の薬価(画期性加算)がつけられる。
収益への貢献は大きいが研究開発における技術革新性を必要とし、成功確率は低く、開発期間が長くなるのが難点である

しかし販売面では最初に市場に参入して差別的優位性を有する利点があるため、顧客から高い評価を受けて高シェア獲得が期待できる。
免疫抑制剤「プログラフ」などがこれに該当する。

Bestinclass型薬剤

一方の改良型医薬品は、既存薬と化学構造上の差はわずかで主薬効はほぼ同等であるが、副次薬効、安全域、ADME(吸収・分布・代謝・排泄)などの違いにより結果として有効性、安全性、利便性(服薬のしやすさなど)の面で改良が加えられたものが多い。

過去激しい研究開発競争が繰り広げられてきたが、近年既存薬との優位性などの承認審査基準の厳格化により、その開発は困難性を極めている
開発においては、できるだけ早い段階での製品コンセプトの確認(差別的優位性の証明)が必要となる。

改良型医薬品のうち既存薬に対して明確な優位性を持つ医薬品「Bestinclass型薬剤」と呼ばれる。
既存薬で売上高が大きい薬剤をターゲットに開発するケースが多いため、売上高は大きくなることが多い。
H2受容体拮抗剤「ガスター」などがこれに該当する。

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