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望まれるガイドライン策定、信頼性確保のために~薬価算定に薬剤経済分析を使う3

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望まれるガイドライン策定、信頼性確保のために

薬剤経済分析を薬価算定に利用するにあたっては、いくつかの問題があります。
かつて提出された薬剤経済分析結果が、結局は有効に利用されなかったのはその資料の信頼性の問題でした。

分析結果に対する信頼を得るためには、申請者が勝手に分析を行うのではなく、一つの約束に従って分析する必要があります。
そのため、ガイドラインの作成が急がれます。

また、提出された分析結果がガイドラインに沿ったものとなっているのかの判定を含め、内容の妥当性を誰が、どのような形で評価するのかも決めておかなければならないでしょう。
この他にもいくつか気になることがあります。

薬価算定を委ねて良いのか

第一に、薬剤経済分析結果だけに薬価算定を委ねて良いのかということです。

申請者から分析結果が提出されなかった場合や、あるいは提出された分析結果が適当でないと判断された場合、薬価が設定できず、その薬の保健医療への導入が遅れるということになってしまいます。
かといって、現行の算定方法を併用するとそれぞれ異なる価格が算定されるでしょうから、その取扱いが問題となります。

これでは結局、現行の算定方法で算定された薬価が、薬剤経済学的にも費用対効果がよいことを確認するために利用されるにとどまってしまいます。

薬価算定にどのように適用するか

第ニに、分析結果は従来の治療法に比べて、新薬のほうが費用対効果がよいとする上限の価格を示すことになりますが、価格を決める側からすれば、その価格以下ならばいくらでも良いということになってしまいます。

申請者にとっては、これでは何のために分析を行ったのかわかりません。
分析結果から得られた価格を、実際の薬価算定にどのように適用するのか、あらかじめ決めておく必要があるでしょう。

これは諸外国では薬剤経済分析の価格を決めるためではなく、保険への導入の可否の判断のために用いられていることとの違いです。

増分費用と増分効果の比で判断

第三に、多くの場合、新薬は従来の治療法に比べて効果も高いが費用も高いはずです。

もし費用対効果を求めるに当たって増分費用と増分効果の比を用いた場合、その額の多少によってその新薬を導入すべきかどうかが判断されることになります。

これは今までの薬価算定の考え方にはないものであり、果たして受け入れられるかどうかの問題があります。
これを補正加算の額だと考えることもできますが、その場合でもいくらまでなら導引を認めるのかについては相当な議論が必要でしょう。

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