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分析の比較対象の治療法~薬価算定に薬剤経済分析を使う1

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薬価算定と薬剤経済分析の関係 停滞の時期を経て再度脚光

厚生労働省は、新薬の薬価基準収載を希望する製薬企業に対して、参考資料として薬剤経済分析に関する資料も提出するよう指導してきました。
それをきっかけとして、製薬企業の中で薬剤経済学に対する関心が高まりました。

しかし今では、厚生労働省が薬剤経済分析の資料を参考にすることはほとんどありませんし、そもそもそういった資料を提出する製薬企業も多くはないようです。
こうなってしまった理由というのは、提出される資料の信頼性に疑問が持たれたからでしょう。

薬剤経済分析は、これまで述べてきたように多くの仮定や前提を置くので結果をかなり恣意的に左右させることもできます。
さらに製薬企業が提出する資料ですから、結論は必ず新薬の方が費用対効果がよいということになります。これでは参考にはならないと厚生労働省が考えたとしても不思議はないでしょう。

ところが中央社会保険医療協議会で「費用対効果の研究を進め、その結論が得られればルールの見直しを図り、それ以降に上市される新医薬品に適用する」ということが了解されてから再び製薬企業の関心を集めるようになりました。

薬価算定に薬剤経済分析が利用できるということは、製薬企業にとっては悪い話ではないので、今度は信頼の得られるような薬剤経済分析の資料を提出できるようにしたいものです。

保険局・中医協の納得が得られる分析を

新薬の薬価算定に薬剤経済分析を使う場合の分析の立場は、保険者です。

ただし、その資料を評価するのは厚生労働省の保険局であり中医協ですから、これらの人々の納得が得られる分析でなければなりません。

分析の比較対象の治療法

最初に考えるべきことは、何を分析の比較対象の治療法とするかということです。
今の薬価算定ルールでは、薬価基準に収載されている最も類似の既存薬を対照とすることになっていますが、薬剤治療に限らず、その疾患に対する標準的な治療法を対照にします。

標準的な治療法が定まっていない場合には、成書を参考にしたり専門家の意見を聴取したり、あるいは薬剤の場合には市場でのシェアを調べるなどして、分析の対照とした治療法を標準的な治療法と判断した理由を説明します。

このようにして選定した標準的な治療法がある薬価算定ルール上の類似薬と異なったときは、この類似薬による治療も分析の対照に加えておくほうが無難でしょう。

副作用の治療費を費用に加える

取り上げるべき費用は、医療保険の支払いの対象となるものすべてです。副作用についてはその治療費を費用に加えます。

介護に要する費用などは、医療保険の支払いの対象ではないので基本の分析でははずしますが、評価を厚生労働省が行うことを考えると、厚生労働省が関心を持つ費用を加えた分析を参考までに別途行うことも無意味ではないかもしれません。

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