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プライマリーエンドポイントとサロゲートエンドポイント~薬剤経済分析法5

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費用-便益分析

費用-便益分析は、アウトカムをすべて金銭に換算するというものです。
これにより、比較する治療法との間でアウトカムの指標が違っている場合や、複数のアウトカムを統合して比較しなければならないときも比較が可能になります。

例えば、新薬と対照薬との間で有効性だけでなく、副作用の発生率も加えて評価するなどにはこの費用-便益分析を利用します。

得られるアウトカムを金銭に換算する方法として、健康状態の低下や死亡を生産性の低下としてとらえる人的資本法(Human Capital Approach)と、苦痛や障害を避けるためにいくらまで支払う意思があるかを質問する支払い意思法(willingness to pay:WTP)とがあります。

費用-効果分析や費用-効用分析に比べて費用-便益分析では費用と効果を直接比較することができる点で意思決定者にとっては実用的です。

プライマリーエンドポイント

通常臨床試験では、治療の効果について何かを指標にして表すことで客観化を図ります。この指標はエンドポイントと呼ばれます。

治療の目的は寿命を全うさせることですから、ある治療の効果をみるには、エンドポイントとして死亡を取り下げ、ある治療による死亡率をその治療を行わなかったときにそれと比較することが最も説得力のあるものとなるはずです。
これをプライマリーエンドポイントとよびます。

サロゲートエンドポイント

しかし死亡率が求められるほど長期間臨床試験を続けることは実際的ではありません。
そこで臨床試験では代わりになる指標、血圧やコレステロールの値など、サロゲートポイントが用いられるのが普通です。

サロゲートエンドポイントは何でもよいわけではなく、本来のプライマリーエンドポイントとの間に相関が見られるものでなければなりません。
そしてその治療法が実用化された後には、プライマリーエンドポイントでの評価を速やかに行ってサロゲートエンドポイントでの評価を検証しておく必要があります。

サロゲートエンドポイントでの評価はやむをえないとしても、それがプライマリーエンドポイントである死という状況に至る途中の状態を示したものでないこと、つまりたとえば血圧がだんだん高くなって死にいたるというようなことではないこと、に若干のもどかしさを感じます。

このように考えてみると、患者全体の健康度、Quality of Life(QOL)を指標とするという考えが出てくるのも当然のような気がします。

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