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費用-効果分析(CUA)~薬剤経済分析法4

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費用-効果分析(CUA)とは

費用-効果分析(CUA)は、費用効果分析の一種であって、アウトカムとして健康関連QOL(HRQL)に基づく効用値を用います。
効用値とは、ある健康状態を0から1までのスケール上に位置づけることです。しばしば、0は死亡、1は完全な健康状態として考えます。

もちろん「死んだ方がマシだ」という状態があるならば、マイナスとなることもあります。
この効用値は絶対的なものがあるわけでなく、いわば人の好み(選好といいます)によって決まるものなので、当然同じ健康状態でも人によって異なります。

例えば、足の骨折という状態は、サッカー選手にとってはかなり低い効用値となるでしょうが、普通のサラリーマンではそれほどのことはないかもしれません。

効用値の求め方

効用値を求めるには、臨床試験で、信頼のおけるQOL調査票を用いて被験者のQOLを測定し、このそれぞれの被験者のQOLに対してあらかじめ測定しておいた効用値を当てはめます。
この効用値を利用した質調整生存年(QALY)という指標があります。

同じ1年生きるにしても、健康でいるのと寝たきりでいるのを同じに扱うのはおかしいとの考えから出たもので、質調整生存年は効用値にその健康状態でいた期間をかけ、これを加えていくことで求めることができます。

この調整生存年1年あたりの費用を比較することで、費用対効果の優劣が判断できるわけです。

評価結果の表し方

以上の費用-効果分析および費用-効用分析では、評価結果の表し方として二つの方法がとられます。

一つは、単位効果あたりあるいは単位効用値あたりの費用を比較するものです。
もう一つの方法は、通常は新たに導入しようと考えている治療法の方が対照とする従来の治療法に比べて効果も高いが費用も高いので、増分費用と増分効果の比を求めて、1単位の追加の効果を得るために必要となる追加の費用で表すというものです。

なお、新たに導入しようと考えている治療法の方が効果は高く費用も安いということであれば、これは「ドミナント」であるとよばれ検討するまでもなく、導入した方がよいという結論が導かれます。

これらの手法による分析結果を意思決定者のための判断材料として利用する上で共通する問題点があります。
それは、分析結果を示されても、導入すべきかどうかをただちに判断できないということです。

例えば、単位効果あたりの費用によって従来の治療法の方が費用対効果がよいと示されても、これは効果と費用の比ですから、絶対的な有効率は低いかもしれません。
また、1単位の効果を追加するのに必要な追加の費用を示された場合でも、これが高いのか安いのかは別途判断が必要となるでしょう。

この判断のための一つの対策として、各国政府に提出された薬剤経済分析結果を基に1増分QALY当たりの費用求め、これと各国政府が実際にその新規プログラムを採用したかどうかを組み合わせて一覧表にし、新規プログラム採用の目安の金額を示す試みが行われています。

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