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費用対効果分析の4手法~薬剤経済分析法3

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感度分析とは

費用についても薬価のように1つに決まるものもありますが、同じ薬剤費でも購入した価格を問題にするのであれば幅があるでしょう。
そういった本来幅のある数字のうち、どの数値を用いるのかは公正でなければならないし、そのためにはどのような根拠でその数値を用いたのかを説明されなければなりません。

例えば比較臨床試験結果で、有意差は出なかったが新しい薬剤の方が対照薬よりも有効率が高かった場合、結果として出された有効率をそのまま用いれば新しい薬剤の方が費用対効果がよい、という結果を導くことも可能になってしまいます。

これらの問題を解決する方法として、感度分析という方法があります。
これは費用にしても効果にしても、あるいは発症率のような確率についてでも、変動する可能性があるものをいろいろと変えて分析を行ってみることです。

どのように変えてみても、結論が変わらなければ、分析結果は非常に安定したものといえます。
しかし通常はどこかの点で結果が逆転することになるので、それもまた意思決定者に対する貴重な判断材料となります。

なお、意思決定者が分析過程に実際の医療との違いを感じた場合も感度分析を行うことで対応することが可能です。

費用対効果分析の4手法

次に、費用対効果の測定に用いられる手法について説明をしたいと思います。
主に4つの手法が使われており、以下のようによばれています。

費用-最小化分析(Cost Minimization Analysis:CMA)
費用-効果分析(Cost Effectiveness Analysis:CEA)
費用-効用分析(Cost Utility Analysis:CUA)
費用-便益分析(Cost Benefit Analysis:CBA)

ただし、分析法を使い分けるというよりも、費用対効果の効果(混乱を避けるためにここでは「アウトカム」と呼びます)を何で表すかによって分析法が必然的に分類されると考えたほうがよいでしょう。

費用-最小化分析と費用-効果分析

費用-最小化分析(CMA)は、比較する治療法の間で効果に差がないか、差があっても取るに足らないものである場合に用いられます。
効果に差がないのですから、費用対効果といいながらも費用の大小だけを問題にすればよいということになります。

アウトカムも臨床効果で表したものが、費用-効果分析(CEA)です。
この場合、臨床効果は完全に治るとか死亡するとかいった、最終的な治療効果を表すプライマリーエンドポイントを用いることが望ましいとされています。

特に社会の立場で分析するとなると、例えば臨床評価で用いられる血圧値の低下というようなサロゲートエンドポイントをアウトカムとしてしまうと、アウトカムを判定した後に患者さんに生じる様々な費用や効果も当然社会に影響を与えるので、途中段階で分析しても意味がないからです。

ただし、分析結果を提示する相手の意思決定者によっては、サロゲートエンドポイントでもよいと考えられる場合があります。
例えば、医療機関にとってみれば治療目標が達成できるかどうかに関心があるので、これをエンドポイントとすることで十分であるともいえます。

この分析法を用いるには、アウトカムが共通の指標で表されている必要があります。
また例えば、有効性と副作用というように複数のアウトカム指標を比較することもできません。

逆に言えば、同じ指標で表わせれば、どのようなプログラムでも比較が可能です。
アウトカムを肺がんの発症率とするならば、肺がん検診の費用対効果と禁煙教育の費用対効果とを比較することも可能なわけです。

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