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費用とアウトカムについて時期の違いが調整されているか~薬剤経済分析を論文評価に活かすポイント4

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費用とアウトカムについて時期の違いが調整されているか

5年後に1万円が手に入るぐらいなら、今9,000円手に入る方がいいと考えるのは自然なことでしょう。
だとすれば、薬剤経済学分析がある程度長期に及ぶ場合には、費用の生じる時期によってその価値を調整する必要があるでしょう。
そこで、すべての費用を現時点の価値に換算することが行われます。これを「割引」といいます。

つまり、費用のかかる治療を実施する時期をできるだけ遅らせることができれば、少ない費用として計算されることになります。
この割引の率としては5%や3%が用いられることが多いようです。これは金利とは違うので注意が必要です。

今は費用のことを述べましたが、アウトカムについても同様です。1年後に回復するのと、5年後に回復するのでは、やはり違うのではないかという考えです。
この場合も現時点での価値に換算することになります。費用と同じ割引が用いられることもあるし、一方でアウトカムには割引を行わないとする考えもあります。

なお、言うまでもないことですが、分析時間が短い場合には割引を考える必要はありません。

すべての案の費用とアウトカムについて増分分析が行われているか

新しい治療法が従来の治療法よりも費用も安く、効果も高ければ、計算するまでもなく新しい治療法の方が費用対効果が良いことになります。
このような場合、新しい治療法はドミナント(優位)であると呼びます。

通常は効果は高いがその分費用も高いので、追加された費用によってどのくらい効果が増加したかをみることがあります。これを増分分析といます。
増分分析を行うことで、より高い効果を得るためにはあといくら支払えばよいのかがわかります。

新しい技術を導入すべきかどうかの判断の基準が提案されています。例えばロウパシスらは、QOLを勘案して実質的な生存年数を表します。

質調整生存年を用いて質調整製造年を1年延ばす増分費用が20,000ドル未満であれば、その技術を導入する強い根拠があり、20,000ドルから100,000ドルでは中等度の根拠が、また100,000ドルを超える場合は弱い根拠があるという事を言っています。

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