HOME > すべての記事 > 薬剤経済分析 > 費用とアウトカムの価値づけは信頼できるか~薬剤経済分析を論文評価に活かすポイント3

費用とアウトカムの価値づけは信頼できるか~薬剤経済分析を論文評価に活かすポイント3

130view

費用とアウトカムが適切な単位で正確に測定されているか

薬剤経済学の分析を行うために、費用と結果が、時間とか回数とか金額とかといった数字で表される必要があります。
特に費用の中で共同で使用するものの費用をどう分配するかということは、十分に検討する必要があります。

費用についても数字化しなければなりません。例えばQOLでは、健康状態を1、死亡を0としてそれぞれの状態について相対的な価値づけが行われます。
それぞれの状態を表す数値にそれぞれの状態でいた期間をかけ、これを加えた「質調整生存年(月、日)」とよばれる指標がしばしば用いられます。

費用とアウトカムの価値づけは信頼できるか

何を費用と考えるかが決まっても、具体的にどのような数字をそれに当てはめるかは、必ずしも自動的に決まるものではありません。

わが国の場合は、例えば医療費であれば診療報酬点数表の点数を、また薬剤費は薬価を用いればよいと思われますが、これは、保険者や患者の立場での分析の場合で、医療機関の立場だと購入価格を考えなければなりません。
医療保険で価格の決まっていない物の費用は、市場の取引価格が参考にされることが多いでしょう。

一方、人によるサービスの価格については市場価格があればそれを用いればよいのですが、ボランティアとか家族によるサービスのように市場価格がないものに対してはしばしば平均賃金が用いられます。
平均賃金には男女差や年齢差があり、それが果たしてサービスの内容や質を反映しているのかは議論のあるところです。

アウトカムの価値付けの信頼性

同様に、アウトカムについても価値付けの信頼性は重要です。
特に効用に対する価値付けはいろいろな工夫がなされていますが、これが絶対というものはありません。

上に述べたように健康状態を1、死亡を0としたスケールをおいて、それぞれの状態をそのスケールのどこに当たるのかを決めていけばよいのですが、誰が決めるのかが適切なのか、患者がよいのか、一般の人がよいのか、それとも医療専門家がよいのかを判断する必要があります。

また一方である状況、たとえば病気が治るとか軽減するとかに対して、いくら払うかを直接聞いてしまうwillingness to pay(WTP)という方法が用いられることもあります。
この場合も誰に聞くのかは問題です。

>> 「現役薬剤師の転職体験談」に進む

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

掲載中の案件一覧

「薬剤経済分析」カテゴリの関連記事