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誰のために、何を対照として分析するのか~薬剤経済学 分析の視点を踏まえる8

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パレード基準による考え方

社会の立場とは、資源の最適な再配分を目指すものです。「最適な」とは、誰かの利益を増やそうと思うと、他の誰かの利益を損なうことになってしまう点とされています。
これは「パレート基準」とよばれますが、いうまでもなく極めて非現実的です。

あらゆる変化に対して、得をする人がいれば損をする人もいるのが現実の世界です。
そこで、「得をする人が損をする人に補償をすることで、パレード基準を満たすことでもよい」という修正が行われています。

この場合、実際に補償をすることを求めるのではなく、一定の条件下で補償をすることが可能であるとことが確かめられれば、潜在的にパレード基準を満たしているとみなすとします。

このような考えに立つと、実は社会の立場での分析を行うのはかなり難しく、実際のところ分析結果に与える影響が大きいものだけを取り上げているのが普通です。

実際の医療を踏まえた分析でなければならない

さて、誰のために、何を対照として分析するのか、費用や効果として何を取り上げるのかが決まれば、次にその具体的な数値を求めれば分析にとりかかることができます。

薬剤経済分析は「意思決定者への判断材料の提供」が目的ですから、実際の医療を踏まえた分析である必要があります。

モデル化とは

ところで、実際の患者さんでの治療経過や薬への反応は複雑で、極端に言えば一人ひとり違うでしょう。しかし、これでは一般化できません。
つまり、今後の治療に関わる費用対効果が予測できないということです。

そこで、分析する上であまり影響を与えないような状況は除いてしまって、できるだけ単純化していきます。これをモデル化といいます。
モデル化に際してはしばしば用いられるのが、デシジョンツリー(判断樹)とマルコフモデルです。

単純化するにあたっても、意思決定者の意見を反映させる必要があります。
分析する上では影響を与えないような状況であっても、意思決定者にとっては重要な関心のある状況であれば、やはり加えておく必要があるでしょう。

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