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実際の医療現場での効果を示す~薬剤経済学 分析の視点を踏まえる2

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教科書通りにいかないのが現実

こういった教科書に沿った分析結果というのは、わが国では実施するのがなかなか大変です。
その薬剤についてダブルブラインド比較試験は行われていても、必ずしも標準的な治療法との比較になっていません。

また、臨床試験は臨床的なエンドポイントを目標に行われるので、薬剤経済分析にしばしば用いられるQOLのデータを取っていないことが多いのです。
薬剤経済分析のために新たに臨床試験をやり直すというのは非現実的です。

このように大分悲観的な状況ですが、病院薬剤師は何のために薬剤経済分析結果を必要とするのでしょうか。

個人的な興味でなければ、院内で使う薬剤を決めるに当たって、病院内の誰かに説明するための材料として使うはずです。
とすれば、教科書的な分析結果ではなくて、医師や病院長への説明に使える分析結果のほうがよいのではないかと病院薬剤師に提案すべきだと思います。

医師への説明・実際の医療現場での効果を示す

医師に対して説明する場合を考えましょう。

この場合、「費用」は薬剤費と診療に要する費用です。「効果」は臨床試験の成績というよりも、実際の医療の現場での効果が重要です。
そのためには、いろいろな仮定をおいてシミュレーションする必要が出てきます。

それぞれの医師は病気の進行具合や予後、あるいは治療に対する患者の反応についての経験や治療に対する考えを持っているので、それとかけ離れたものでは理解が得られません。

また、効果についても医師が何を目標に治療効果を話しているかを把握し、それを指標とする方が臨床試験で用いられた指標を基に分析するよりも理解を得られやすいかもしれません。

比較する対照治療法

「比較する対照治療法」は、その医師が普段用いている治療法です。
また、分析結果は単に費用対効果の高低だけでなく、増分費用、すなわち効果を1増やすためにはあといくら支払えばよいのかという分析結果の方が医師には必要です。
お金のために最良の治療法を断念するというのは医師にとっては耐えられないでしょうから。

さらに、治療選択に当たってのインフォームドコンセントに基づく患者の治療への参加を大切に考える医師ならば、患者の立場での分析結果も要求するでしょう。

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